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第39話

「そこの馬車!止まれ!」


 レイガ達がその気配に気付いてから数分。

 馬車に乗っているレイガ達に静止の言葉が掛けられた。


 レイガはその言葉に従い、馬車を止める。と、言っても外に出ることはせず、クロードに止まるようにと思念で伝えただけだ。

 レイガは乗っている箱馬車の窓を開くと、声の主を待った。




「この馬車の主は出てこい!」


 その言葉を聞きレイガは素直に外へ出る。ただし、目に見えての武装はしないがホルスターにはMAC-11が納まっている。なにかあればフルオートの弾丸が雨のように降り注ぐことになるだろう。


「なにか用でしょうか?」


 レイガはなるべく丁寧に言葉を発する。ただ、言わせてもらうのであればこの場での上位者はレイガのほうである。地位においても、戦力においても。たかだか一国家の一近衛よりも全大陸のギルドで三人しか存在せず、国を一人で滅ぼせると言われるSSSランク冒険者。どのように考えても後者のほうが重要性は高い。


「失礼。

 現在帝国は高警戒状態にある。帝都周辺を警邏していたところ所属不明、正体不明の馬車を見掛けたため声を掛けさせてもらった。

 身分証を提示していただきたい」


 そんなレイガに男達のなかで最も地位の高そうな男が答える。ちなみにこれが某王国の近衛だった場合はかなりひどいだろう。具体的には高圧的かつ中の女を寄越せなどなど。騎士というよりは盗賊といったほうが良さそうなほどに。ただ、兵力不足と中央の腐敗、それと70年近く前の戦争──それもすでに払われている賠償を未だに要求する国民性から考えれば当たり前なのかもしれない。

 大国ではあってもいや大国であるが故に腐敗もしやすいのかもしれない。


「身分証──これで大丈夫ですか?」


 レイガは首から掛けていた金で縁取られた黒のプレートを外し魔力を流し通常の状態に戻す。


「SSSランクっ、失礼した!ヴァレンシュタイン氏」

「ああ、いや仕事なんだから気にしないでください。それよりもう行ってもいいでしょうか?」

「構いません。が、後日伺わせていただくかもしれません」

「なんらかの依頼ということなら構いませんが……装備の強奪などであれば……まあ、対抗させていただきますよ」

「ハハ、そのようなことをする筈がないではありませんか。

 あ、それとよろしければコチラをお持ちください。太陽の騎士団の特殊交通許可証です。これがあればすぐに帝都に入れますので」

「それは丁寧にどうも。

 ありがたく頂きます。それでは失礼します」


 そして、この差である。

 とまあ、こんな具合でレイガ達は特に問題が起きることもなく再び帝都へと馬車を進めた。

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