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第37話

「それで、レイガ……その娘達どうしたの?……誘拐した?」


 ハクアが食べ終わった串焼きの串を燃やしながらレイガに訊く。


「誘拐って……するわけないだろ。

 保護したんだよ、保護」


 レイガはハクアの言葉を否定しつつ、答える。その手にはまだ串焼きが数本残っている。


「保護したんなら、さっき別れてもいいはず…なんで連れてきた?」


 ハクアは首を傾げながら訊く。

 表情がそんなに動いてないがこれだけでも不思議に思っていることがうかがえる。


「ん…と、あれだ、あれ。俺、クラン作るからさ。入ってもらおうと思って」

「クラン?……レイガが?」

「ああ。んで、ハクアへの用事もクラン入ってくれっていう要請だな」


 レイガはそう言うと串焼きを一本、ハクアへと渡す。そこ、餌付けとか言わない。


「レイガ……戦争でもする気?」

「ハハッ、まさか……でも、売られた喧嘩は買ってやろうかな」

「レイガ……凶暴」

「龍だからな」


 レイガとハクアは二人で身内でしかわからない会話をする。いや、正確にはこの世界の住人しかわからない会話をする。

 その証拠に詩音達はまったく何の話かわかっていない。


「って……話についてこれないよな。

 まあ……簡単に説明すると。

 俺の種族と、俺たちの冒険者としての地位の話だよ」

「レイガ。ちょうどいいから冒険者についての説明もするべき」


 レイガが言うとハクアも提案する。


「確かにその方がいいか。

 説明しちゃっていい?」

「お願いします」


 レイガがハクアの提案に納得し、詩音達に確認する。

 詩音たちは特に不都合もないので、すぐに答える。

 その答えに頷いたレイガは要約してギルドの説明を始めた。


「それで、最後にランクについて。

 ランクはF~SSSまである。で、登録時のランクはその時のステータスのランクで決まる。勿論、冒険者っていうのはステータスだけでどうにかなるものじゃないから、スキルレベルも反映される。あ、別にスキルが知られるとかはないよ。謎の魔道具技師(笑)が作った謎の魔道具だからね。

 それで……俺らのランク言ってなかったよね。俺は一応SSSランク冒険者ってことになってる。

 それでこっちのハクア……って紹介してなかったわ。ハクア自己紹介して」


 レイガら途中で自分の横に居るハクアについて何も話していなかったことを思い出す。因みに謎の魔道具技師は某魔術の神である。


「ん…私はハクア……レイガと同じSSSランク冒険者で……レイガの妻」

「ちげぇよ!然り気無くとんでも無い嘘ぶちこんでじゃねぇよ!」

「それと……レイガは一応なんてレベルじゃなくて…ギルドの冒険者序列一位…だよ」

「一位は君でしたよねぇ!

 てか、無視!?無視なの!?」

「前にレイガに負けた……だからレイガが一位」

「ああ……それで。……で、無視ですか?」


 レイガは納得しながらも未だに納得しない。そう、ハクアの発言については全く納得できない。


「もういいや……さてと…そろそろ帝都に行くか」

「宿があればいいけど」

「時間的に微妙だよなぁ。高いところしか残ってなさそう」

「私が言いたいのはそういうことじゃない……レイガに合うランクの宿があればいいということ」

「俺に合うランクってなんだよ…まあ、どうせ泊まっても一週間くらいだからな。たまには金使うか」

「ん、それがいい」


「じゃあ行きますか《召喚(サモン)一角黒馬(シュバルツユニコーン)》」


 レイガは食事の残骸を片付けると、召喚魔法を使用して使役している魔獣を召喚する。本邦初公開となるレイガが初めてテイムしたモンスターだ。そこで疑問に思うだろう。「え?メイガが初めてじゃなかったっけ?」と。

 ここで説明しよう。メイガは【眷族化】されている。つまり、普通の使役とは違うのだ。よってメイガは初の眷族であり、初の従魔ではないのだ。

 そこで、だ。何故、レイガがこのユニコーンを眷族にしていないのか、それには理由がある。一つ目は、メイガ──つまり漆黒のグリフォンの話を聞いてからずっとそれを最初の眷族にすると決めていたから。二つ目はメイガを眷族化した後にこのユニコーンを眷族化するのを忘れていたからだ。

 因みにこのユニコーンの名前はクロードというらしい。


 そんなこんなで、レイガは召喚するとともに眷族化していないのを思いだし、少し遠くに離れて眷族化。【一角黒馬】が【迅雷ノ黒皇馬】となり、馬車を装着した。


 そして、一行は帝都へと向かう。

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