第36話
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『ヴェリタス帝国』
今より680年前の聖暦1145年に建国されたこの国は、今も昔もワインと美男美女であふれている。
そして、建国に多大なる協力をした英雄の血を引く貴族たちによる統治は公明正大であり、旅人や移民もこぞって訪れる場所である。
特に帝国内でも屈指の美とワインが集まる帝都と、帝国一と呼ばれるワインの生産地アル・カッツェ葡萄園には一度は訪れたいものである。
だが、危険なモンスターの生息する場所もあるため、注意が必要である。
【フーベル・ファイルバーン著『五大国の歩き方』より抜粋】
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「こんなところかな」
レイガは簡単にヴェリタス帝国について説明する。
「ちなみに、今は聖暦1836年。
あと、164年もしたら龍暦に変わるね」
「変わる?」
「ああ。
2000年毎に聖暦と龍暦が入れ替わるんだよ。だから正確には今は第三聖暦1836年ってなる」
レイガは首を傾げたほのかの問いに答える。
余談だが、第一聖暦元年つまり現在の数え方になった日になにがあったのか説明しよう。
神☆降☆臨。以上である。
盛ってヒャッハーしていた被創造物を白髪の女神様がボコったということだ。
「ところで、暦分かる?」
「わかりません」
「だよねー」
レイガは軽く返すと簡単に説明する。
いい機会なので、ここでも説明しておこう。
この世界の一年は地球と同じく12ヶ月365日である。
そして、各名称は異なる。
一月から順に
【新の蒼月】【寒の蒼月】【緑生の白月】【花生の白月】【間の白月】【雨の白月】【下炎の赤月】【強炎の赤月】【終炎の金月】【紅の金月】【籠備の金月】【終の蒼月】
となる。
言葉から分かると思うがこの世界はかなりの範囲で四季が訪れる。勿論、常夏や常冬の地域もあるがその場合は【一の~月】として数える。
そして、【~月】というものだが、月の色を示している。
それと日付だが、地球と変わらないと言っておこう。閏年は存在しないが。
「さて、そろそろ行こうか」
レイガは話を聞きながらも未だ帝都を見ている詩音達に声を掛ける。
「レイガ……そのまえにご飯…」
だが、出発はまだのようだ。




