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第33話

すいません、遅れました。

レポートに追われ…そしてレインボーシックスやってました…


楽しすぎるだろ、なんだよこのゲーム……

まあ、クソエイムなんですけどね!

「ん、出てきたみたいだね」


 レイガは本をインベントリに収納し、後ろを向いて声を掛ける。


「はい、ありがとうございました」

「いやいや、気にしないでいいよ。取り敢えず座ってよ。色々話をしないといけないだろうから」


 レイガはテーブルの前に置かれた椅子に座るように勧める。勇者(笑)?勿論おねんね中である。あのレイガがほんの数時間で起きるような生半可な魔法を掛けるわけがない。


「あ、それとそこの肉食べていいよ。てきとーに切ってその紙で包んでかじりついちゃって」

「はい、わかりました」


 詩音の返事を聞き、レイガはナイフで肉を切り、紙に包みそれを頬張る。行儀が悪い……とは言われそうだが(というより確実に言われる)これはまだいい方である。

 冒険者というのは危険と隣り合わせの職業である。それは野営の際の食事の時間や就寝時も同じだ。その為食事に時間を掛けてはいられないのだ。その為彼らの食事は携帯食料か簡単なスープや焼き物である。その食べ方は手掴みであったり、ナイフで刺してだったりする。スープはカップ又は皿を使うが。

 まあ、兎に角。一々食事の際に皿を出してフォークとナイフで~みたいなことはしないということだ。


「さて、それじゃあ本題に入ろうか」


 レイガは言いつつ、四人の顔を見る。


「皆はこれからどうする?

 君たちからしたらここは異世界。殆ど知識も無く元の世界の常識も通じない世界だ。

 一番近くの街を目指す?それとも王都?はたまた帝国に行く?それとも法国?

 どこへ向かう?何をする?」


 一拍。


「君達は何をしたい?」


「私たちは……人を探しています。

 その人を見つけたい…」


 レイガの問いに詩音が答える。


「ふぅん。けどさ、今のままで可能だと思ってる?

 君たちの強さはCランク下位程度。この世界には危険が満ち溢れているんだよ。言っちゃ悪いけど君たち程度の強さなら人探しの旅なんて不可能だと思うよ」


 詩音の答えをレイガは一刀両断する。

 これは彼女達のことを考えて言っている。確かに聞き方によっては煽っているようにも聞こえる。しかし、言っていることは紛れもない事実なのだ。Cランク程度の実力ならそこそこの旅は可能である。だが、それでは足りない場所がいくつもあるのも事実なのだ。そして、もし仮に彼女達に自分の正体がバレ、着いていくと言われた場合の事を考えると人探し云々ではなく不可能なレベルなのだ。

 レイガが行くところはすべてが魔境と呼ばれるような危険な場所であり、あるいはそれを超える危険性故に神域とまで言われるような場所である。いくら最高位人族であり素晴らしいポテンシャルを秘めていると言っても現状では不可能だ。


「だから……ここで提案させてもらうよ。

 君達さ……俺と一緒に冒険者やってみない?」


 現状では神域攻略は不可能。

 だがレベルアップすれば可能である。

 レイガはそれを理解し提案した。別にこれは一緒に居たいからという訳ではない。ただ、彼女達の身の安全を考えてのことだ。

 前世……元の世界のことには心残りはない。だが、それでも知り合いには安全でいてほしい。その願い故の提案だ。


 まあ、冒険者という時点で安全云々はアレだが力があればこの世界では優位に立てる。その為安全といえば安全である。

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