第11話
「ま、それよりも早く登録してくれない?」
「は、はい!わかりました!それではこの魔道具に手を乗せて魔力を流して頂きたいのですが、まずは説明をさせてもらいます。この魔道具に魔力を流して頂くと、現在のステータスから見た評価値を測定し、同時に初期ギルドランクを決定し、ギルドカードを発行します。また、あくまで評価値のみですので、ステータスがギルドに把握されることはありません」
「ん、わかった。やっていいか?」
「はい、はじめてください」
レイガは受付嬢(ここで容姿の説明をすると茶髪眼鏡の図書委員タイプの美少女)に言われた通り彼女が取り出したタブレットっぽい魔道具に手を乗せ、魔力をながし始めた。
数十秒後『ドッカーーン』という変な音がした。すると、受付嬢は机の下からスマホの様な物(小さい)を取りだし、先程の魔道具に繋がれた装置に接続しボタンを押した。
「現在、ギルドカードに情報を移しているので、その間にギルドの説明をさせていただきます。
まず、ギルドランクと評価値からです。
ギルドランクは下からF→E→D→C→B→A→S→SS→SSSとなっています。評価値はランクとほぼ同じですが、SSSの上にSFというSSSを超越した評価が存在するそうです。また、ランクアップはギルドからの推薦とある程度の実績その他、そして再測定した評価値によって行います。
次にモンスターはギルドランクと同じレートとなっており、SSSの上に絶望級が存在します。また、クエストでの討伐証明ですが、ギルドカードでモンスターの魔石をスキャンして頂くと証明が完了します。勿論、同じ魔石で証明することは不可能です。あと、モンスターの素材買取りもやっていますので、是非ご活用ください。
次にギルドの施設についての説明です。
ギルドではクエストボードから、又は私達受付、上位冒険者になるとギルドにある依頼確認端末、最上位冒険者になると全国家依頼確認端末からクエストを受けられます。
ギルドには全国家共通で使用できる銀行があります。そこではDランク以上の冒険者はお金を借りることも可能です。
また、修練場もあり、定期的に新米冒険者向けの講習会も行っています。
次はギルドカードの説明です。
ギルドカードは『マギカデバイス』とも呼ばれており、機能は《受注依頼確認》《預金残高確認》《身分証明》《魔石証明》《メール》《形状変化》《ギルド会則》です。《形状変化》についてですが、これはデバイスの持ち運びを楽にするための物で、《変化》と書かれたボタンを押すと、3×5センチくらいの大きさの板のついたペンダントになります。また、その板はランクによって色が変わります。後程、ギルド会則でご確認ください」
受付嬢はそこまで一気に言うとふぅと息を吐いた。因みにレイガは全て知っていたのだが、受付嬢が頑張っていたので大人しくしていた。まあ、心の中で「なんか、地球でこの娘と同じ図書委員タイプの娘が俺の事すんげぇ見てたなぁ」とか「そういや、その娘にコクられたなぁ」とか「なんか、断ったら虚ろな目になってたなぁ」とか「そういや俺的にこういう娘ってヤンデレ化しやすいよなぁ」とか思っていたのだが。
「あ、終わったみたいですn……SF評価!?」
受付ちゃんが初期設定(情報を移す事)が終了したらしいギルドカードとその装置を見て叫んだ。となりのティエラは龍人という事には余り反応しなかったが今回は違った。
「ちょ、ミリナ!退きなさい!この人は私が面倒見るわ!」
「えっ、ちょっ!?キャア!」
受付嬢──ミリナちゃんを押し退けるとその豊満な胸をレイガに見せ付けるようにして話を始めた。ビッチきめぇ。後、ミリナちゃんもかなりある。
しかし、レイガはティエラを一瞥すると
「失せろ、クソビッチ。つーか、さっきまでの態度はどうした?」
とだけ、言う(軽く威圧付きで)とミリナちゃんに声を掛けた。
「大丈夫?」
「は、はい」
「そうか、良かった(ニコッ」
「ズキューン(効果音)」
しかも、また微笑んだ。まじで天然タラシだ。
因みに言っておくと、ティエラの誘惑(笑)にレイガが反応しなかったのはあの島にマジエロ悩殺ボディの女神様ばかり居たからだ。その女神達にレイガは女性の喜ばせ方を教わったらしい。………ベッドの上の運動会も含めて。教える側の女神達も数十分後にはレイガにトロトロにされていたそうだ。一人の女神が言うには「何時ものまったりした感じの黎雅もいいけど、ベッドの上の激しい黎雅も最高」らしい。
話がそれた。
「登録は終わりでいいか?」
「い、いえ。この後支部長に会ってもらいたいのですが」
レイガはこの後でテンプレに出会うようだ。




