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空船

倉庫の中を黄色く照らすハロゲン灯の明かりを煌煌と反射する銀色のそれは、直径12〜3メートルはあろうかという大きさで、中央の部分が丸いカプセルの形にぽっこりと浮き上がっており、そこに人が乗るようだった。



「UFO?」と誰かがぽつりとつぶやく。

その見た目は、小説によく描かれるようなUFOそのもののようにも見えた。


「UFOではない。残念ながらな。」と、一つ咳払いをしてから、教官は言った。


「空船っていうんだ。覚えとけ。」そういうと、教官は続けた。

「水を固めるのに船を使うとどうなるか想像はつくだろ?この薬は、瞬間的に水をゲル状に出来て、10分ほど経てばコンクリート並になる。船を使ったら、一回行っちまったら、周りの海水が固まってそれでおさらばだからな。こうして、空から撒くわけよ。」


「教官!早速使い方を教えてくださいよ。」

いつも、よく言えば積極的、悪く言えば教官に媚びを売っていてイライラさせられる河和田が言う。


「まぁ、落ち着け。いいことだがな。そうやって、意欲旺盛なのは。」そういうと漣教官は少し笑みを浮かべた。


「基本的なことから、話してやろう。この空船の定員は4名だ。

そして、この4人は一度決めたら、常に同一の4人とする。まぁ、基本一生一緒ってことになるから、仲良くな。


海水凝固剤は、白い粉だ。見たくれは石灰そっくりだ。それを空船に載せて、空からばら撒くわけだ。

ばら撒くのは、この空船がやってくれるから、お前たちはコクピットのレバーを一つ下げればいいだけだ。簡単だろ。


ただ、ばらまく時一つだけ注意しなくちゃならねぇことがある。海水凝固剤がコンクリート並に固まることを完全凝固っていうんだが、その状態の上から新しい凝固剤を撒くと、爆発を起こす。

まぁ、滅多にないことではあるんだが、万が一それをやっちまうと空船ごとおさらばだ。

これだけは注意しろよな。


じゃあまず、4人組を作れ。

後から変えることも出来るが、大半は今決める4人で一生やってくことになるんだから、慎重にな。」


そこにいた、同期120名がざわつきはじめ、徐々にグループができていった。

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