第七話 マスタラトの洞窟、V.S幻魔(笑)
‐マスタラトの洞窟‐
賢二郎「燃矢!!」
良平「鳳凰拳!!」
洞窟に入るや否や魔物達がお出迎え。
さっさと強力な技ぶっぱしてふっ飛ばしている二人の後ろで時々魔力回復用の青い薬草を粉末にして前の二人の周辺に撒く事に徹底しています、勇者です
ここ、マスタラトの洞窟の奥には幻魔(笑)さんが居るんですが、土蜘蛛を針蔓で串刺しにしたり、ゾンビを氷塊投げでボコボコにしたりして進んでるんですが、結構深いもんで、なかなか奥底が見えてきません。
そうこうしてる内に、私の勇者の書にも技が追加された模様です。技名は「波動斬」って言う中距離型斬撃系技で、なんか「気」を剣に送り込んで思いっきり振るとかなんか大雑把な内容ですが、いちおう習得しておきました。便利です。援護くらいは出来る様になりました。
もう気づくと幻魔(笑)さんの部屋。早速討伐でもしようと思います。
‐マスタラトの洞窟 幻魔の間‐
良平「やっと奥か?」
賢二郎「どうやらそのようですね……」
幻魔(笑)「……来客?」
幻魔(笑)「もしかして人間?まっさかぁ、こんな所まで来られる筈が無い」
俺「ところがどっこい、来ちゃってます」
幻魔(笑)「なら、生かしてはおけないな。あとこの(笑)取れ!!!」
優香「あの村の幻を解いてください!!」
幻魔「いやいや、話の流れ的にいきなり頼むのおかしいじゃん?でも、あの村は私が世界征服をする為の第一歩なのだァ!!どうしてもあの村の幻を解くわけにはいかん!!」
俺「そこをなんとか……ねぇ?」
幻魔「いや、駄目だ。しかも、あの村には明日ごろに自分以外のものが全て恐ろしいものに見えるという強力なものを仕掛ける予定だからな!!」
賢二郎「だったら……」
良平「地底の奥底で永遠に眠る覚悟は出来たか?」
幻魔「それにしても、本物の人間に合うのはかなり久しぶりだ。しかもかなり強そう…………だが!!」
幻魔「この私が作り出す心を狂わす幻の中で彷徨い続けるがいい!!」
賢二郎「この魔物の属性は……無ですね。少し周りが揺らいで見えます。」
良平「なら、どんな攻撃でも全部同じように効くって事だろ?」
賢二郎「そういうことになりますね」
俺「じゃあ、ちゃっちゃと終わらそうぜ」
と、一通りの超大雑把な作戦を話し合うと、賢二郎は後ろに、良平と俺は左右に広がった。
賢二郎「火炎球!!」
ちょっと大き目の火球が幻魔にむかって飛ぶ。
しかし、それをひらりと左後ろにかわす。
だが、そこには良平が居て、炎武脚を喰らわせて、幻魔が少し浮いたところを俺が波動斬で斬りつける。
だが、そう上手くいくはずがなく、そのさっきまで攻撃されていた幻魔の体が揺らいで消えた。
と、良平の後ろに幻魔の姿が現れた。
俺「おい!!危な…」
そう言い掛けると、幻魔の鋭い爪が良平の背中を切り裂く…が、すぐに優香が回復してくれたので、殆ど効いては居ない様子。
良平「――――そこっ!!」
と、良平が何も無いところを殴ったかと思うと、そこに幻魔の姿が現れた。
俺「でええぇぇぇい!!」
そう叫びながら幻魔の脳天に一撃を与える。
「グェッ」っと少しの悲鳴のようなものを上げるとともに、幻魔の体は二度と動かなくなった。
いいとこどりをした気分だが、まぁいいだろう。
たしかに案外弱かったが、引き返す時の事を思うと、少し気分が憂鬱になる。
幻魔(笑)弱いよ幻魔(笑)