宇宙は筋肉になりました
広場の一角。今日もパーティは子どもたちに囲まれていたが、ふとギルド長が眉をひそめる。
「……おい、ガチム。剣はどうした?」
ガチムは胸を叩きながら笑う。
「剣?ああ、飾りのことか。腕の筋肉で十分だ」
「いや、規定で素手は認められないんだぞ!」ギルド長は目を丸くする。「剣を持て! 戦闘に備えろ!」
ガチムは肩の飾り剣に手を触れ、子どもたちに向かって胸を叩く。
「剣は筋トレの道具だ。戦うのは筋肉だ。宇宙は筋肉。俺も筋肉。これが世界の真理だ」
小さな少年が目を輝かせる。
「ぼくも宇宙になれるかな?」
ガチムは胸の筋肉をピクピクさせながら言った。
「なれる。ここにあるのは筋肉だ。宇宙も、希望も、すべて筋肉に宿る」
少女が首をかしげて手を胸に置く。
「胸筋が……宇宙に?」
ガチムは深呼吸し、胸の筋肉をさらに盛り上げる。
「さあ、一瞬にして道は開ける。焦るな。筋肉の道もまた筋肉だ」
子どもたちは両手を握り、胸を叩いて真似をする。
「ぼくも筋肉になった!」
「私も宇宙!」
「筋肉の真理がわかった!」
ガチムは腕を組み、笑顔で頷く。
「その調子だ。素手でも、振るうだけで宇宙とつながる」
イッヌは尻尾をぶんぶん振り、子どもたちに囲まれて跳ねる。
「ばう! ばう!」
広場は笑い声と、筋肉を叩く音、イッヌの「ばう!」で満たされ、今日も宇宙=筋肉の法則が確認されたのだった。




