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一緒だよ  作者: ツタ
8/9

脱出

私は洋館を出ると、バスで秀くんと連くんがいる病院に向かった。

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」

病室に入ると、秀くんは連くんに向かって何度も謝り続けていた。

「あ…未来ちゃん、連は脳震盪を起こしただろうって、脳挫傷で言葉が話せなくなる可能性も捨てきれないって言われた」

「そんな…」

「僕が我を忘れて、連を殴り続けたせいだ」

「それは白の術で仕方なかったんだよ」

「でも、僕が殴り続けたから…間接的には僕のせいで…僕がもっと連を止めていれば…」

秀くんは頭を抱えて泣き出した。

「もし…もし、連くんが言葉が話せなくなっても、支え続けよう。それが、私たちが連くんを本気で止めようとしなかった償いだよ」

「そんなことで、連が許してくれるわけないだろう…?」

「そうやって、自分で決めつけて、連くんの気持ちを知ろうとしないで、逆に連くんを追い詰めることになるかもしれないんだよ」

「連を追い詰める…?」

「秀くんが今、連くんと離れれば『自分があの時、洋館に行こうと言わなければ、友人関係が壊れることは無かった』って、自分を責めるかもしれない。『言葉が使えない自分は要らない存在だ』って勘違いするかもしれない。そうなったら、誰が幸せになれるの?」

「…」

秀くんは黙って私の話を聞いていた。

「だから、さ…連くんがどうなっても、支えよう」

秀くんはこくりと頷いた。

「うう…」

その時、連くんが目を覚ました。

「連くん!」

「連!」

私たちは、連くんの顔をじっと見つめる。次の言葉が紡ぎだされることを期待して。

「う…あう…あ…う」

連くんは言葉を発せなくなっていた。

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