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再開
第3話 再開
「ここはどこ?」
気づいたら図書室のような場所に居た。
「にゃあ」
鳴いた声の方を見ると、幸が居た。
雨が降ってる中に拾って、雪が降っている中に捨てた、一目惚れした猫が居た。
「幸!生きてたんだね、良かった」
私の目には涙が浮かんでいた。
猫は最初こそ大人しく私に抱かれていたが、しばらくすると、私の腕から抜け出し、まるで付いてこいという風に歩き出す。
図書室を出ると、玄関が目の前にあった。
扉を開くと、青空と木々の緑が広がる。
「外だ!…あ、でも連くんと秀くんがまだ中に居るかも。2人を探さないと」
「やめろ」
「え?誰?」
「俺だよ、幸だよ」
幸の口が動くと同時に言葉が紡ぎ出される。
「え?嘘…だって猫は喋らない…」
「俺は猫又だからな。猫だった時とは違うんだ。それより、もうここには戻るな」
「なんで?」
「ここは人間嫌いな猫又が居るんだよ。人間を閉じ込めたり、術を使って人間同士を争わせたり、人間に危害を加えるんだ」
「じゃあ、尚更2人を助けに行かないと!」
「お…おい!仕方ないな」