1-6.樹木の魔物との再戦
過去に戻る前にも通った森を再び歩いたが、この森はやはり魔物の気配がなく、無事に湖のある場所に到着できた。
到着し次第耳を澄ませてみたが、戦闘の音は何一つ聞こえてこなかった。
ただ、遠くから猫が鳴いているような声が微かに耳に入ってきた。おそらくあの白い豹獣人たちだろう。
二人の声が聞こえるということは、まだ無事でいるはずだ。
俺はその声を頼りに、慎重に接近を始めた。
足音を殺しながら、頭の中では冷静に状況を整理していく。
過去に戻った今、あの豹獣人が俺のことを覚えていない可能性が高い。
そんな状態で不用意に接触すれば、敵と判断され、戦闘に発展する恐れもあるだろう。
そうなれば、大型の魔物どころではなくなってしまう。
彼らを連れて逃げることも一つの手だが、言葉が通じない以上、安全に導ける保証はない。
ならば今、俺にできる最善の選択は――
彼らに気づかれずに行動し、まずは魔物の居場所を特定することだ。
ただ、一つ気がかりなことがある。
彼らもネコ科の獣人であり、優れた聴覚を持っていることだ。
小さな物音さえも聞き逃さない耳を持つ彼らに対し、少しでも不審な音を出してしまえば、簡単に気づかれてしまうだろう。
俺は小動物になったつもりで息を潜め、一歩ずつ慎重に距離を詰めていった。
しかし、その努力も虚しく、嫌な予感が的中する。
遠くから聞こえていた会話が、突如として途切れた。
(気がつかれたか……?)
声を頼りにかなり近づいたはずだが、まだ彼らの姿を確認することはできていない。
俺は呼吸を浅くし、音を消しながら、彼らの次の行動を待つことにした。
どのくらい待っただろうか、いくら耳を澄ませど何かが動く音は聞き取れず、聞こえるのは葉が風に揺れる音や鳥たちのさえずりだけだ。
俺は足を屈め、低い姿勢を保つ。はたから見れば、大自然の中で用を足しているようにしか見えない格好だ。それでもこのまま待ち続けるしかない。
(早く動いてくれ……)
その時だった。
直ぐ近くの茂みがサワサワと揺れ、白い豹獣人の顔が不意に飛び出してきた。
クライス「ひゃいっ!」
不測の事態に小さく声が漏れ、硬直してしまう。
何とも言えない気まずい沈黙が流れる中、目が合った弟の豹獣人が、唐突に大声を上げた。
弟豹獣人「にゃぁぁぁぁ!!!」
クライス「うわぁぁぁぁぁ!!!」
お互いに声を上げるなり、俺はその場を一目散に駆け出した。
本来なら、こっそり近づいて魔物の居場所を探る予定だったのに、自分の居場所を晒すだけでなく、驚きのあまり逃げ出す羽目になるとは、とんだ大失敗だ。
走り抜けた先には、少し開けた場所が広がっていた。
そこは過去に戻る前、兄の豹獣人が倒れていた場所だ。
そして、中央にはその彼が立っており、鋭い視線をこちらに向け、手にした槍をまっすぐ構えている。
(嵌められた……)
恐らく先ほど茂みから現れ、目が合った弟豹獣人は、俺をこの開けた場所に誘導するためにわざと姿を現したのだろう。後ろを振り返れば、追いかけてきた弟豹獣人が距離を詰めているのが見える。
俺は、目の前にいる体格の良い豹獣人を視界に収め、覚悟を決め、手にした斧を構える。
忍び寄る恐怖によって、握りしめた手に汗がにじむ。
これまでにも戦闘の前に恐怖を感じたことはあったが、ここまで強い恐怖を感じるのは死を体験してしまったからだろう。今も戦うことを身体が拒否しているのが分かる。
しかし、目の前の状況を打破しなければ、悲惨な未来しか待っていない。
目を見開き、全身に熱が駆け巡る感覚を感じると、体格の良い豹獣人に向かって全力で地面を蹴った。
彼の鋭い槍が俺に突きつけられが、それを即座に斧で弾いた。
一瞬の隙を見逃さずに踏み込み、彼の腕を掴み強く引く。
バランスを崩して倒れ込む彼を背中に、そのまま斧を構え、斧を振りかざした。
ガコン!!
重い衝撃が腕にのしかかり、金属と木が激しく軋む音が森に響き渡る。
俺の斧は、魔物の太く鋭い枝を真っ向から受け止めていた。
クライス「クソッたれが!」
斧越しに伝わる重圧に耐えながら、全身の力を込めて一気に押し返した。
瞬間的に距離が生まれたが、魔物は間髪入れず、鎌のような枝を大きく振り払ってきた。
その攻撃に合わせるように、俺とすでに起き上がっていた彼は、同時に後方へ跳び、地を蹴って間合いを取る。
弟豹獣人「にーにゃん!」
追いついてきた弟豹獣人が、焦った声で叫んだ。
静かだった森は、今や緊張と殺気に満ちた戦場へと変わっていた。
クライス「大丈夫か!?」
声をかけると、体格のいい豹獣人は敵から目を逸らすことなく、しっかりと頷いた。
その反応を確認し、俺も再び目の前の魔物に意識を集中させる。
この魔物の最大の脅威は、幹の両側から伸びた、鎌のような鋭く太い枝だ。あの枝の攻撃は見た目以上に素早く、範囲も広い。下手に近づけば一撃であの世行きの危険性がある。
さらに厄介なのは、一発一発の威力が異常なほど重いことだ。
たとえ受け止められても、そう何度も耐えられる攻撃じゃない。
そして、もうひとつ問題は――
"過去に戻る前とは状況が違う"ということだ。
以前は幹が大きく抉れており、そこを狙って斧を叩き込むことで倒すことができた。
さらに、あの時は不意打ちの利があり、相手がこちらに気づく前に攻撃を仕掛けられたのが、決定的な勝因だったと思われる。
だが今回は、幹は無傷で、俺たちの存在はすでに気づかれている。
(……これ、戦うより逃げた方が賢明なんじゃないか?)
そんな考えが脳裏をよぎった。
今ならまだ距離が取れており、さらには全員ネコ科の獣人である俺たちならば、逃げ切れるはずだ。
言葉が通じるか分からなかったが、ダメ元で提案してみた。
クライス「安全を取って逃げるってのはどうだ?」
体格の良い豹獣人「シャー!」
弟豹獣人「シャー!」
ものすごい勢いでシャーシャー言われた。
2人とも全身を逆立て、完全に戦闘態勢だ。牙を剥き、目には怒りと殺意が宿っている。
(ダメだな、これは……)
彼らからは、まるでこの魔物を狙ってここまで来たような気迫を感じた。
きっと、彼らにとってこの敵は見過ごせない存在なのだろう。
俺は逃げる選択肢を捨て、腹を括った。
(あの幹に、一発でも叩き込めりゃ……)
狙う場所は以前と同じ。ただ、そこまでどう持っていくかが問題だ。
そう考えていた矢先――
魔物の背後から、蔦のようなものがいくつも伸び始めた。
細く、しなやかに揺れながら、まるで意思を持った生き物のように、うねうねと動いている。
次の瞬間、それが鞭のような鋭さと速さで襲いかかってきた。
クライス「っ!」
俺は反射的に身を捻り、その場から飛び退いた。
直後、振り下ろされた蔦が地面を叩き、土を抉る鋭い音とともに、小石と土埃が激しく舞い上がった。
クライス「どんな威力してんだよ!?」
迫る蔦をかわしながら、俺は斧を振り上げ、何本かを叩き斬った。
だが、切った端から新たな蔦がうねり出し、再びこちらを狙ってくる。
(切ってもキリがねぇ……この勢いのままだと防戦一方だ……!)
攻撃の糸口を探していたそのとき、体格の良い豹獣人の声が響いた。
体格の良い豹獣人「にゃん!にゃにゃん!」
声の方へ視線を向けると、体格のいい豹獣人が弟豹獣人を庇いながら、迫る蔦を次々と斬り払っているのが見えた。
動きに無駄はなく、魔物の周囲を時計回りに回り込みながら、着実に距離を詰めている。その背後では、弟豹獣人が槍を構え、真剣な眼差しで隙をうかがっていた。
クライス「何か策があるのか!?」
体格の良い豹獣人「にゃにゃん!にや~んにやん!」
予想はしていたが……やはり猫語だ。
内容はさっぱり分からなかったが、その動きに迷いは一切見られない。おそらく何らかの策があるのだろう。
ならば、俺にできることは一つ。
二人に攻撃が集中しないよう、できる限り魔物の注意を引きつけるしかない。
迫りくる蔦を斬り払いながら、必死に思考を巡らせる。
(くそっ……どうすれば魔物の意識をこっちに向けられる!?)
斧を振るうのに精一杯で、妙案など浮かんでこない。
(……何か……何でもいい……!)
その時、ふと足元に転がる小石が視界に入った。
俺は即座にそれを拾い、魔物の顔――いや、たぶん顔と思われる場所めがけて、全力で投げつけた。
小石は一直線に飛び、「コツッ」という小さな音とともに、魔物の眉間の隙間に挟まった。
その瞬間――
魔物の巨大な眼がギロリと動き、真っ直ぐに俺を捉えた。
そこには明確な怒りの色が宿っている。
クライス「やっべ……」
それまで豹獣人たちに向けられていた蔦が、ピタリと動きを止め、一斉に俺めがけて襲いかかってきた。
クライス「に゛ゃぁぁぁ! 流石にその量は無理だって!」
情けない叫びを上げながらも、俺は飛びかかってくる蔦を斧で斬り払い、必死に身を躱す。
いくつかは避けきれず、頬や腕をかすめ、鋭い痛みに、顔をしかめる。
血が滲み出るのがわかったが、今は気にしている余裕などない。
視界の端で、豹獣人たちがすでに魔物の背後へと回り込んでいるのが見えた。
俺が囮になっている間に動いていたのだ。
ヒュン!
弟豹獣人の投げた槍が、風を切る音を残しながら一直線に飛び、魔物の背中へ深々と突き刺さった。
魔物「ぐおぁあぅうぅぅ!」
怒りと痛みに満ちた咆哮が、森の奥深くまで響き渡る。
その声は空気を震わせ、木々の葉をざわめかせるほどの迫力だった。
その直後、暴れ回っていた蔦が、意思を失ったかのようにピタリと動きを止め、力なく地面へと崩れ落ちた。
体格の良いの豹獣人「にゃんにゃ!」
その声を合図に、俺は斧を構えて全力で魔物へと駆け出した。腕に力を込め、大きな弧を描くように斧を振り抜く。
クライス「おりゃぁぁ!」
刃が樹皮に食い込んだ瞬間、ずしりとした衝撃が腕を駆け抜けた。
斧の刃先は、わずかに幹の中心へと食い込んでいくが、分厚い樹皮は鉄の様に硬く、少し抉るので精一杯だった。
同時に、体格の良い豹獣人が一気に踏み込み、鎌のような枝の根元へ全力の一撃を叩き込んだ。鋭く走った刃が樹皮を裂き、見事枝は断ち切られた。
魔物「ぎぐぎゃぁぁ!」
怒号のような咆哮が森に響き渡るが、魔物はまだ倒れない。その巨体はゆらりと揺れ、怒りを込めて根を地面に何度も叩きつけ始めた。
地面が震え、土が跳ね、俺たちの足元が不安定になる。
(まずい――!)
俺は跳ぶように後退し、揺れる地面を蹴って、衝撃の範囲から離れた。
体格の良い豹獣人も俊敏な動きで攻撃をかわし、同じく距離を取っている。
豹獣人「にゃおにゃお!」
遠くにいた若い豹獣人が何かを叫ぶと、何故か魔物の背に刺さっているはずの槍が彼の手元に戻っていた。
彼は直ぐに槍を構え、渾身の力で再び投げ放つ。
風を裂くような鋭い音が走り、槍は一直線に魔物の顔へ飛んで行った。
そして、鈍い金属音が響き渡ると、槍は寸分の狂いもなく、魔物の眼を正確に貫いていた。
魔物「ぐぎぎゃぁおうぅ!」
怒りに満ちた咆哮が森全体に響き渡る。
根の動きがさらに荒れ狂い、地面は大きく裂けるほどの衝撃に揺れた。
そして次の瞬間――
奴は地に叩きつけていた根をバネのようにしならせ、その反動を使って弟豹獣人のもとへと一気に跳躍した。
(なにっ――!?)
さっきまでの鈍重な魔物とはまるで別物だった。
わずか数瞬、こちらが目を見張る間に、魔物は弟豹獣人を射程に捉える。
ザシャッ!
肉を裂く生々しい音が、耳を貫いた。
もう一方の鋭い鎌のような枝が振り下ろされ、鮮血が宙に舞う。
周囲の草花や地面を真っ赤に染め上げるように、血が勢いよく飛び散った。
クライス「クソ野郎がぁぁ!!」
怒りで身体が無意識のうちに動き、俺は無我夢中で斧を構え直し、猛然と走り出した。
バランスを崩している魔物を狙い、全力で地面を蹴り上げる。
クライス「うおぉぉぉぉぉっ!」
身体を回転させ、その勢いを乗せて斧を振り抜いた。鈍い衝撃が腕に伝わり、刃が硬い樹皮を切り裂く感触を捉える。
今度は確かに、魔物の幹の中心――柔らかい部分まで刃が達していた。
魔物「ぐぎゃぁぁぁおぉぉぉ!」
悲鳴のようなうめき声を上げ、魔物の幹がゆっくりとしなり……
バキィッという音と共に、崩れ落ちる。
再び森に静寂が戻った。
倒れた魔物が完全に動かないことを確認すると、俺はすぐさま根を跳び越え、豹獣人たちのもとへ駆け寄った。
クライス「大丈夫か!?」
目に飛び込んできたのは、背中を深く裂かれ、地面に座り込む体格の良い豹獣人の姿だった。
その腕の中には、弟豹獣人が、しっかりと抱きかかえられていた。
クライス「待ってろ!今、ポーションを……!」
慌てて隣に膝をつき、背負っていた袋を引き寄せてポーションを探る。
彼の呼吸は浅く、今にも途切れそうなほど微かだった。
それでも彼は、震える唇をわずかに動かし、かすれた声を絞り出す。
体格の良い豹獣人「……おにゃ……にゃおん……」
その声に顔を向けると、驚くほど真っ直ぐな瞳が俺を見据えていた。
意識を保つことすら困難なはずなのに、その眼差しには確かな意思と、強い光が宿っていた。
視線はすぐに、自分の腕の中にいる弟豹獣人へと移る。
その後、彼の身体はふっと力を失い、ぐったりと地面に倒れ込んだ。
弟豹獣人「……にーにゃん?」
弟豹獣人は、目の前で起きている現実が受け止めきれず、まるで時間が止まったかのように、遠くを見つめている。
クライス「まだ死んじゃいねぇ!気をしっかり持て!!」
俺の叫びが届いたのか、彼はハッと目を見開いた。
すぐに倒れている兄の豹獣人の背中に手を添え、懸命に傷口を押さえ始める。
弟豹獣人「にーにゃん!にーにゃん!!」
必死の声とともに震える手で傷口を押さえるが、血は止まる気配もない。
指の隙間から溢れ出した鮮血が、土を赤黒く染めていく。
俺はようやく見つけたポーションを掴み、強引に蓋を外し、彼の背中に刻まれた深い傷口へと振りかけた。
クライス「……頼む、効いてくれ!」
それは神にすがるような声だった。
この場で彼の命が尽きれば、隣にいる弟豹獣人はまた、大切な存在を失ってしまう。
その悲しみを、あの目にもう二度と映したくはなかった。
俺の目の前で、ふわりと温かな光が舞い上がる。
ポーションが傷口に染み込んだ瞬間、淡く柔らかな緑の光球がいくつも浮かび上がり、宙に広がったのだ。
それは、まるで命の鼓動そのもののような温もりを帯び、優しく傷を包み込むように輝いていた。
流れ続けていた血がすうっと引き、見る間に裂かれた肉が再生していくのが見て取れた。
やがて光が収まると、そこには、あれほど深かった傷が嘘のように跡形もなく消えていた。
クライス「……すげぇ……」
思わず、感嘆の声が漏れた。
あれほど深かった致命傷が、まるで最初から存在しなかったかのように、きれいに癒えている。
その光景を目の当たりにして、彼が助かったのだと胸を撫で下ろした――だが、安堵はすぐに不安へと変わる。
ポーションで傷は塞がったものの、血だまりに横たわる彼の呼吸は未だ浅く、意識も戻らない。
クライス「……もしかして、血が足りてないのか?」
その可能性を感じ、俺は迷わず袋へと手を伸ばした。
クライス「ポーションを飲ませるぞ!」
これは一種の賭けだった。
ポーションといっても、何でもかんでも治癒できるような万能薬ではなく、その効果は品質によって大きく左右される。
しかし、先ほどの奇跡的な治癒を目の当たりにした俺には、このポーションに賭けるしか選択肢がなかった。
俺は彼の体をそっと仰向けにし、膝で上体を支える。
そして2本目のポーションの蓋を開け、瓶の口を彼の唇にあてがい、ゆっくりと、少しずつ中身を流し込んでいく。
ゴクリ――
彼の喉がわずかに動いた。
クライス「……そうだ、そのまま……」
さらに少量ずつ注ぎ込むたびに、呼吸がわずかに深くなっていく。
胸が上下するたびに、かすかだった命の気配が、次第に確かなものへと変わっていった。
そして、瓶の中身がすべて尽きた頃には、呼吸は明らかに落ち着いていた。
クライス「……よかった。これなら、もう大丈夫だな」
安堵の声を漏らしながら視線を横に向けると、隣では弟豹獣人がじっとこちらを見つめてきた。
その目には、未だに不安と緊張が宿っており、今にも崩れてしまいそうだった。
俺はそっと手を伸ばし、彼の頭をやさしく撫でた。
クライス「心配すんな。もう、大丈夫だ」
その言葉に、彼の耳がピクリと動いた。ほんの少しだけ、目元が緩んだ気がした。
クライス「……このままここにいるのは危険だ。一度、お前さんたちの集落に戻ろう。案内、頼めるか?」
弟豹獣人「にゃ~ん」
彼は笑顔で頷く。その反応に、俺は確信めいたものを覚えた。彼らの猫語は理解できないが、少なくとも俺の言葉は通じているみたいだ。これまでのやり取りを振り返ってみても、その可能性は高い。
そんなことを考えながら、俺はゆっくりと体格の良い豹獣人を背負い上げた。その体はずっしりと重かったが、その重さこそが”命”の重みなのだと実感した。
弟豹獣人「にゃっににゃお~。」
弟豹獣人が何か言いながら手招きしてくる。
その仕草に頷き返し、俺は足元に注意を払いつつ、ゆっくりと歩を進めた。
風が木々の間を通り抜け、どこか穏やかな音を立てている。その音は、不思議と心を落ち着かせてくれる気がした。
貴重なお時間を使って、お読みいただきありがとうございます。
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