天界
私達は天界の武器屋にきた。
「ルド爺いる〜?」
ライラがひょこっとお店の中を覗く。
「おぉ、ライラにニコラか。お主らはいつも一緒じゃな。」
店の奥に座ってハハッと笑うルドルフお爺ちゃん。
お爺ちゃんだけど筋肉凄くて、体に沢山傷跡がある。
昔は天界守護隊隊長だったとか。
今はこのお店で主に守護隊の装備を作っている。
「ルド爺、こんにちは。」
私は頭を下げた。
「ねーねー!ルド爺が作ってくれた機械でニコラちゃんと記念撮影したんだよ!よく撮れてるでしょ〜!」
うきうきでライラは スマホ(仮)で撮った写真を見せた。
「うむ。よく撮れておる。ライラには写真家の才能がありそうじゃな。」
そう言いながらライラの頭を撫でる。
「えへへ〜。ニコラちゃんばかり撮っちゃいそう〜」
にまーっと笑いながらこちらを見てくるライラ。
かわいいわ。
「そういえば、最近守護隊の人達は忙しそうだけど、ルド爺は何か知ってる?」
普段守護隊が調査に出ることなんてないから私は少し気がかりだった。
「うーむ。恐らく《奴ら》がまた何か企んでいるのやもしれんな。」
「奴ら?」
奴らってなんだろう。
「奴らとは《邪教徒》の事じゃ。今から約1000年前。ワシがまだ守護隊の隊長をしていた頃じゃ。邪教徒共がここ、天界に魔物を連れて乗り込んできたんじゃ。」
邪教徒…お父さんから聞いことはあった。
でも天界にどうやって…。
「でも、どうやって天界に邪教徒は入ってこれたの?人間界から天界に通じるゲートは天使しか開けないはずだけど…」
ルド爺は少し険しい顔をした。
「…裏切り者が居たんじゃ。」
裏切り者……
「名は…堕天使アザゼル。奴は500年もの間ワシら天使の味方のフリをし、裏で邪教徒侵攻の計画をしておったんじゃ。奴は異常じゃった。当時の守護隊の精鋭達はいとも容易く殺されてしまった。」
悲しそうな顔をするルド爺。
「ルド爺…」……
ルド爺を心配そうな顔で見るライラ。
「それで、そのアザゼルって奴はどうなったの?」
「奴の力はあまりに強大すぎた。殺すことはできんかった。最上級天使2人の命を代償に奴を天界の更に上にある天極へと封印したんじゃ。」
そんなヤバい奴が天界の上に……
「邪教徒共はアザゼルの復活を企んでいるかもしれぬ。」
「大丈夫だよ!そんな奴、お父さんとお母さんが倒すよ!!二人は最強だから!」
ライラは得意げに言った。
「ふふ、そうね。二人は強いもんね。」
そうよ。ライラのお父さんとお母さんは守護隊最強の二人だもの。
「ハッハッ、暗い話をしてしまったのぅ。そうじゃ、ついさっきルキフェルとリエルが調査から帰ったと聞いたぞ。今ならまだ会えるかもしれぬぞ。」
暗くなってしまった雰囲気を変えるように明るくルド爺は言った。
「お父さんとお母さんが帰ってきたんだ!遅くなるって言ってたけど、帰ってこれてよかった!行ってみようよニコラちゃん!」
私の腕を強引に掴み引っ張るライラ。
「ちょ、わかったから!ルド爺またくるね」
「うむ。また来なさい。……」
店を出る時、ルド爺が心配そうな顔をしてこっちを見て何かを言ったような気がしたが、ライラの引っ張る力に負けそのまま店を出た。




