(7)下級精霊の捕縛作戦 〜騎士団長視点〜
前回のあらすじ
私は大勢の人間(騎士団のこと)から逃げまくっていた。
私は、ルヴォニア公国皇帝の兄であるが、好戦的な性格と、頭の悪さ故に皇帝に向かなかった。だから面倒事は頭のキレる弟に全て投げ、俺は騎士団長を務めている、名はロドス・ルヴォニアという。
今日は珍しく客が来た。ルヴォニア公国の精霊師であるカルロス卿が騎士団にやって来たのだ。皇帝陛下から許可を貰ったから、今日召喚した下級精霊を捕縛して欲しいとの依頼だった。弟でもありこの国の王でもある奴が許可したとなると、厄介ごとの匂いがプンプンするが、団長である手前断れず、二つ返事で了承した。
地下のマナプールまで来て直ぐに異変を感じた。消滅寸前の中級精霊一体と下級精霊七体だけの割には精霊の気配が強く感じるのだ。
「おい!誰か下級精霊を見つけたか!?」
「隊長まだ見つかりません!」
これには、弟が許可したのも頷けた。下級精霊がこの地下で動き回っていることに正直驚いた
まぁ、弟が許可を出しただけでもやばいのに、騎士団嫌いで有名な、カルロス卿の依頼というダブルパンチだからな、こりゃ引き締めんとやばいな。
肝心の下級精霊はまだ見つからない。
(こいつ絶対下級精霊なんかじゃないだろ!仕方ない、探知魔法を使うか。)
連れてきた騎士達に集合の号令をかけ、一時的に入口付近まで撤退させ探知魔法を使用する。
「いたぞ!二つ目のマナプールの裏だ!全員捕縛術式展開!」
準備が整ったのを確認してから再度指示を飛ばす。
「捕縛開始!」
一時的に動きを封じたが、完璧では無い。再度強固に捕縛術式を展開し、ようやく捕まえた。
だが、捕まえた途端雰囲気がガラリと変わったのを感じた。まずい!と思った時には遅かった。
「触れるな、人間」
下級精霊からその言葉が呟かれた瞬間身体が硬直したのだ。しかもただの硬直では無かった。自分の身体なのに自分の意思で動かせない。まるで、下級精霊に支配されているような感覚だった。
その隙に下級精霊が逃げ出した。完全に不覚だった。だが俺は腐っても騎士団長だ。
騎士達の誰よりも早く復帰し、直ぐに指示を出す。
「追えっ!絶対に逃すな!!」
さすが毎日俺にしごかれているだけはあった。声に素早く反応し、行動に移す騎士達。
(どうせ王城の周りには結界が張られているから逃げられないだろう。)
案の定、二十分程で捕縛したとの報告が上がってきた。
「ロドス団長!負傷者無く、下級精霊も無傷で捕縛致しました!」
「あぁ、流石だ。下級精霊の意識はあるか?」
「いえ、完全に気絶しています。」
「そうか、カストロ卿へ報告しろ」
「はっ!直ちに報告致します!」
ようやく捕まえたか。だが、俺の騎士団を相手に一時間も逃げれるなら、少なくても中級精霊の実力はあるな。今回ばかりは、攻撃されなかったのが救いだな。
これは、まだまだ鍛えないとだな。
なんか内容が被ってきてて話が先に進まない。