黄色い表面張力
白い膜で包まれた楕円形の殻を手に持った。
その楕円形をお椀の蓋で優しく叩いた。
トントンという音の音を響かせると、ピキピキっと、高い音が部屋に轟かせた。
ヒビの入った殻を、両手の親指以外で優しく握った。
そして、支えられた殻を、両手の親指で強めにヒビの入った場所に差し込むと、透明な液体がお椀に滴り落ちた。
ネバネバで円滑剤のような透明な液体は、二本の親指を嫌らしく包み込むと、黄色い塊がドロっとお椀に落ちた。
透明な液体が、黄色い塊を絡め、独特な動きでお椀をくるりと撫で回した。
独立した黄色い塊を、両手で空気を吸い出した空のペットボトルの口を押し当てると、凹んだペットボトルを元に戻した。
戻す瞬間、黄色い塊は、白い液体の表面張力に効果により、糸を引きながら独立した世界へと旅立った。