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無言面接

作者:鰤金団
スゥーハァ〜
「よし、行くぞ!!」

コンコン

ドアをノックする。
(声が聞こえてこないな、でも入って大丈夫だろう)
部屋の中に入る。
「失礼します」
部屋の中には面接官が2人居た。
イスの横まで進む。
「六出梨大学から来ました北坂場義光(きたさかばよしみつ)です」
自己紹介をしてから一礼する。
(ここまでは練習通り出来ている)

………
……

(あれ?反応が無いぞ)

ダンッ!!
突然大きな音がしてビクつく。
面接管の方を見ると、“お座りください”とスケッチブックに書かれていた。
さっきの音はスケッチブックを机に置いた時の音だった。
何か変だなと思いながらも指示に従い席に着く。

ダンッ!!
“当社を希望された動機は何ですか?”と書いてある。
「私が御社を希望したのは世界中で常に新しい事に挑戦し続けている姿勢を子供の頃から見続けていて感銘を受けたからです。御社の活躍を日々知る事で自分もチャレンジし続けようと心に決め、国内外問わずに様々なボランティアや海外留学をしてきました。」

噛まずに言えた事にホッとする。
でも面接官の反応が無い…。
この自分だけが反応の無い相手に対して喋るという状況はかなり精神に響いてくる。

ダンッ!!!
今までよりも音が大きい、音の違いで自分達の反応を見ろという事なのだろうか?
次の質問は“あなたの長所を教えてください”だった。
「私の長所はどんな事にもチャレンジしていく強いチャレンジ精神です。自ら未知の世界に飛び込んで行く事により自分を高めていく事に喜びを感じます。また一度始めた事を最後までやり遂げる強い意志を持っています」
我ながらいい感じに力説できたと思う。

ダンッ!!!ダンッ!!!!
今度はスケッチブックを二つ出してきた。
“今までにしたアルバイトについて話してください”と“その経験は我が社でどのように役立てる事が出来るとお考えですか”という質問だった。
「私は今までアルバイトをした事はありません。ですが様々な国内外のボランティア活動に参加する事によって外国の方と一般会話が出来る程度の英会話を習得しており、それは御社の海外活動でも大いに役立つと考えています」
練習したお陰で今の所ミスは無い、でもなんでこの面接官は動かず、喋らずを通しているのだろう。
面接の成功よりそっちの方が気になってきた。

ダンッ!
今までより音が小さい、何か失敗するような事を言ってしまっただろうか。
“最後の質問です。何か質問はありますか?”
最後の質問で質問はあるのかって可笑しいだろと突っ込みたい。
突っ込みたい衝動を抑えつつどうしても気になる事を聞く事にした。
「どうして御2人は喋らないのですか?」
・・・反応が無い。

少しして面接官が静かにスケッチブックを置いた。
“他に質問はありませんか?”
触れてはいけない質問だったらしくスルーされてしまった。
「いえ、ありません」
そう答えて部屋から出た。


「ご協力ありがとうございました。北坂場さん」
待合室で飲み物を飲んでいると白衣を着たおじさんに声をかけられた。
「あの面接官はどうでした?」と聞くおじさんに素直な感想を言った。
「最初から無反応で何も喋らず反応も無くて心が折れそうになりましたよ」
「なるほど、ありがとうございました。これは今回のお礼です」
そう言って封筒を手渡された。
中身を確認すると2万ほど入っていた。
おじさんに会釈して施設を後にした。


「私だ、さっきの実験データを基にしてよりリアルな物を作るぞ」

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