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商談が成立し、レパードはリリィが使っていた部屋に案内してもらった。
ここにもフットプライドの怒りが叩きつけられていた。ひっくり返されたテーブル、チェスト、ベッド何もかも。
レパードはぐるりと見回し化粧棚やクローゼットを開ける。ギョロギョロと大きな目で残された物品をチェックする。しばらくして塵箱に捨てられた卓上カレンダーのメモに気づいた。
「署長。この赤丸ついてる日。これって何です?」
「ん? どれだ? ……ああそれか、ボビィが病院にな。小児喘息で毎月」
「今日は九月九日。じゃあ一昨日の七日……ちょうどここを出て行ったと思われる日、病院へ行ってるはず」
「なるほど」
フットプライドは頷き、すぐさまその医師に電話を入れた。
確かに、二人が来たと言う。
レパードはカレンダーを畳みポケットに突っ込み、窓から外を見渡した。
自家用車は使っていない。その病院から彼女たちがどう動いたか……どういう手段で何処へ向かったかだ。
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そして州立インフィラデル総合病院の前へ。
いつも長い列を作っているタクシーがいる。
レパードは運転手たちに二人の写真を見せ、七日の日、午前十時過ぎの記憶を訊ねて歩いた。
「知らんね」……
「覚えとらん」……「俺は休みだったんだが、あんた。乗るの乗らんの?」……
「逃げた女房と子供? そいつは面白ぇ、いったいどんな旦那だ」……
「いちいち覚えてねーよー」……
「……ああ。この親子ね。ん、間違いない。乗せたよ」
リリィとボビィの二人を乗せたと言う運転手に先導され、レパードはそこから五キロほど離れた三番通りまで車でついて行った。やがてタクシーは停まった。
「ここだよ」見渡すとバス停も駅もうんと遠い。
何故ここだ? ……レパードは車の窓越しからタクシーの運転手にチップを渡し、その場所を少しうろついた。
彼女がフリーホイールに帰るはずがない。
先ずフットプライドが知る土地には行かない。
人気のない埃っぽい町。
しばらくして彼の目の前に一軒の中古車販売店が立ち広がった……。




