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JOKERMAN  作者: ホーリン・ホーク
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7.lily & bobby

挿絵(By みてみん)


 鮮やかな夕焼けが、心地よく疲れた体を包んでいた。

 走り始めた車の中、ボビィ少年は山からの風に吹かれながらウディ・ガリスの〝朝日に染まる家 〟を口ずさんだ。


「〜あたいのママは仕立て屋だったぁ〜 彼女がこの新しいブルージーンズを縫ったのよぉ〜 あたいの恋人ギャンブラーで〜 神様……」


 子供らしからぬ低い唸り声。

 ハンドルを握るリリィが気だるそうに言った。

「うるさいわね、何訳わかんない歌唄ってるのよ」

「だってぇ眠たくなってきたんだもん」

「素直に寝たらいいじゃない」

「だって……僕が起きてなきゃ」


 ホテルでシャワーを浴び、休むつもりだったが落ち着かず直ぐに出た。息子を酷く疲れさせている自分をリリィは責めた。

 ――でも急がなきゃ……少しでも早くノースフォレストへ……と、リリィはアクセルを緩めなかった。



「……そっか。気遣ってくれてありがとうね。ボビィ」

 そう言ってボビィにシートを倒させ、片手で後ろから毛布を取ろうとした、その時、リリィの運転する車はセンターラインを大きく越えた。対向する大型トレーラーがホーンを激しく響かせる。慌てたリリィは左へ思いきりハンドルを切った。車はギュンと反転し、右サイド後方から道路脇の茂みの中に突っ込んだ。トレーラーの運転手がキャビン内から怒鳴り散らして走り去る。リリィの車は草木をなぎ倒し、ブレーキが効く間もなく、大木にぶち当たった……。



 二人はなんとか無事だった。

 シートベルトをはずし、リリィは助手席のボビィを抱きしめた。

「大丈夫?! ごめん! ごめんね……」

 震えながらボビィは言う。

「……はぁ〜、う、うん、ちょっと……びっくりして」

 濡れたズボンを隠そうとする。

「ごめんママ。おしっこ、ちびっちゃった……」


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