表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
JOKERMAN  作者: ホーリン・ホーク
4/33

4.meet again

「合計で五千ニーゼです」

 量販店で精算を終えるジョー。

 籠いっぱいの缶詰、トマトジュース、非常食。それらをショルダーバッグに詰め、速やかに店を後にした。

 レジのマギーはまじまじと見送った。

 ――よそ者ね……レスラーか何かかしら……。


 ****


 食料を調達し、ジョーはバイクにまたがりキーを挿す。すると駐車場の隅に一人の少年の姿が目の端に入った。

 少年はしゃがみ込み側溝を見つめている。困った様子で動かない。どうしようか悩んだが、ジョーはバイクのキーを抜いた。


「……坊や。どうしたんだ?」

 潤んだ目の少年は、その大男、ジョーを見上げ、固まった。

「何か……落としたのかい?」

「……うん、僕のマスクボーグK」と、鼻汁をすする。

「ん? 何だって?」

「正義のヒーロー。悪と戦うサイボーグさ。知らない?」

「ああ。知らない」

「ほら、あそこ」

 確かにその〝人形〟がドブにハマっている。

 鉄の格子の蓋、その奥深くからこちらを見つめている。


「うむ。これじゃあ坊やには取れないな」

 そう言ってジョーは錆びた蓋を掴んだ。

「下がってな」

 少年は息を飲んだ。見知らぬ大男の太く力強い腕に目を奪われた。

 分厚い鉄蓋が軽々と持ち上げられ、脇に寄せられる。ジョーは膝をつき手を伸ばした。その手は人形を掴み、少年の前に。


「……ありがとう」

「洗わなきゃな」


挿絵(By みてみん)


 ジョーは泥まみれの人形を水道水で洗い、タオルで拭いてあげる。

 少年は満面の笑みでまたお礼を言った。

「おじさん、ありがとう!」

 その輝く瞳にジョーは嬉しくなった。

「……ヒーローを救い上げたおじさんも、ヒーローかな?」

 ジョーは戯けて言った。そんな気持ちになるのも懐かしかった。その時だった。


「ボビィ! 何をしてるの?」

 店の建物の角から一人の女が声を上げ、走り寄ってきた。


挿絵(By みてみん)


「どうしたの? その人は誰?」とヒステリックに。

「ママだよ」と少年はジョーに言い、その母親の方を向く。

「ママ! おじさんが僕のKを助けてくれたんだ!」

 事情を母親に説明する少年ボビィ。

 彼女は眉をひそめ、初めはジョーを睨んだが、ボビィの喜びが次第に伝わり、理解した。サングラスを外し、礼を言う。

「すみません……。ありがとうございます」


 ジョーはその時目を疑った。胸が激しく高鳴った。現れた少年の母親、それは彼が知る、忘れられない女性だった。唯一、ジョーがかつて心を焦がした、唯一の女性だ……。


挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ