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JOKERMAN  作者: ホーリン・ホーク
28/33

28.the past to be revealed

 航空機動隊基地。

 レオ・フットプライドの運転するジープは真っ直ぐヘリポートへ向かっていた。


「リリィ。あのヘリに乗るぞ」

 後部座席の二人は手錠に繋がれたまま。震えるボビィをリリィが抱きしめる。

「……おじちゃんが、死んじゃった……」

 喘ぐ息でふさぎ込むボビィの手を、リリィは気丈に強く握った。

「ママがついてる。ママが守る」


 突如そのジープを直角に遮る一台の車が。急ブレーキを踏むフットプライド。

 その車から降り、ズカズカと向かってきたのは――。


「レパード、貴様!」

 賞金稼ぎレパード・スキンは凄まじい形相で運転席へ。ジョーによって車に縄で縛られていたレパードは木樵(きこり)によって助けられ、あのキャンプ場からここに駆けつけた。


 ジープの中を覗いたレパードの目に映ったのはリリィとボビィの二人だ。

「署長! ど、どういうことッスか、これは?」

 フットプライドは嫌々窓を開け、彼の相手をした。

「何を喚いておる、やかましい!」

「説明してくださいよ何故この二人がここに?」

 フットプライドはニヤリと笑う。

「お前にフラれたオルターが全部教えてくれたわ」

 チッ、あいつ! とレパードは舌打ちする。

「レパードお前こそ何故ここがわかった? 俺がここにいると」

「あんたが不在で……ヘリを借りたことくらい! 俺の情報網で直ぐにわかったんだ! というか、おいまさか」

「ワハハご苦労だったな。……じゃあな」

「おい、人を使っておいて!」

「俺はリリィを連れ戻した。もうお前に用は無い」

 フットプライドはそう言って平然と窓を閉め、バックをし、先へ進もうとする――金など払うかお前なんぞに!。


挿絵(By みてみん)


 レパードは怒り心頭だ。彼は歯を剥き出し銃を引き抜き、逃げるジープを撃った。ヘリポートの作業員たちは驚き、機動隊員たちが慌てて駆けつける。


 弾丸が幌を貫く。二発、三発……。

 リリィはボビィを覆い、伏せる。レパードは走って追いかけ、撃ちまくった。


「あの阿呆が!」とフットプライドはブレーキを踏み、ギアをバックに入れ思いきり踏み込んだ。


「うわっ!」

 急バックしてきたジープをスレスレでレパードは躱す。そこでフットプライドは窓を開け、レパードの胸元を狙って拳銃の引き金を引いた。

 レパードは倒れた。うつ伏せに、倒れた。



 騒然とする場内。フットプライドは間もなく駆けつけた機動隊員たちに囲まれた。


「ハッ、正当防衛だ! 見ていたろう、そのレパードって奴がいきなり撃ってきたんだぞ! そいつは頭がイかれてやがんだ! ……何だ? お前ら俺をジロジロ見やがって!」


 隊員の中にはスーツ姿の三人が紛れていた。その中の一人が大きく前に出て、言った。

「フットプライドさん、あなたを逮捕します」

「……は? な、何だと? …お前、何者だ?」

 男はバッジを見せた。

「EBIのブライト・ハードレインです」


挿絵(By みてみん)


 彼は続けた。

「今の一件は一先ず……」

 そして令状を出す。

「国家機密の漏洩。一九四五年八月五日、あなたはヘリを操縦し、エルドランドの軍事力総データファイルの写しをヘストン・ヒルに投下した」

「はあ? な、何の証拠が!」

「このテープ。あなたとグレイヴス上層部との会話が収められている。声紋も照合し一致した。試聴してみますか?」

 フットプライドの顔が激しく歪んだ。

「そ、そんなデタラメ」

「いえ。かつてグレイヴスのスパイだった人物が協力してくれました。全てを調べ上げた」

「……くっ!」


 ジープのエンジンはガラガラと回り続ける。

 ハードレインの口調が強まる。

「あなたがしがない州警察の署長をやっているのは報酬の金が支払われなかったからか? あなたはただ利用されただけか?」

 ジープの前方を固めている機動隊員。

 ハードレイン捜査官はさらに詰め寄った。

「まだ分かっていることがある。あの日あなたはヘストン・ヒルにいたエルドランド兵を見捨てた。二人を。捕虜として捕らえられていたエイブラハム・ローリングと、彼を救助したジョセフ・ハーディングを」

 それは後部座席のリリィの耳にも届いていた。

「レ、レオ……ど、どういうこと?!」

「えーーい! うるさいっ!」


 フットプライドはギアを入れ思いきりアクセルを踏んだ。撥ね飛ばされる機動隊員たち。

 荒れ狂ったフットプライドはヘリの方向へ一直線に突き進んだ。


「奴を逃がすなーーっ!」

 ハードレインが大きく手を挙げ、周りの捜査官が銃を構えた。

「気をつけろ! 後ろには二人が乗っているんだ!」



 リリィは叫んだ。

「レオ、止めて! もう逃げられないわ! 車を止めて!」

 背後から彼の肩を掴んで揺らすリリィ。

「このクソッ……」


 銃が轟いた! フットプライドはついに発砲した。弾丸はリリィの座るシートを突き破る。

「ママッ!」

 ボビィは身を起こし必至に母親を守ろうとする。鬼の形相でフットプライドは言った。

「邪魔するな! 殺されたいか!」

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