18.reserch
レパード・スキンが丸一日かけて得た情報は三つ。最初の二つは……
「その親子なら駅の方へ歩いていったよ」
ほぅ。列車に乗り込んだかと、レパードは駅に向かい、掃除夫からも話を聞く。
「ベンチに座ってただ。ん、で、もう一人来たなぁ。髪の長い大男で丸縁のサングラスをかけてたべ」
〝髪の長い大男〟〝丸いサングラス〟……?
もう一つの目撃情報は花屋の主人から。
「ああ、その母子だったらハイランズ先生を訪ねてやって来たよ。でも先生はいねえがな。今月の始めに越してった。ノースフォレストだって教えてやったよ。残念な様子で帰ってった」
その花屋の隣りにある一軒の木造建屋は以前Dr.ハイランズが住み、開いていた診療所だ。
建屋の裏口に回り、ドアの鍵をこじ開けるレパード。
中に入ると薬品の臭いが微かに漂う。
リリィに関する何か、物的証拠は残っていないか、床や柱の傷まで隈なく探したが、何もなかった。ドアポストも空っぽ。住所変更はされているようだった。
レパードは外に出て公衆電話から郵便局に電話した。想像力を最大限に働かせ、声の調子を整えた。
「私は西区五番通りにいたハイランズだが、越した先で届くはずの郵便物がまだ届かないんだ。転居届は出したのだがもう一度確認したい。ノースフォレストの、何と登録してあるかね?」
しばらくして局員は答えた。
「……セントルドルフ五〇三ですが」
「OK!」
……ジョーは受話器を置いた。
給油所。リリィはその間に燃料代を払った。
ビフ・キューズはレオ・フットプライドについて知っている事をジョーに教えた。
『奴は王家の遠縁でそれを後ろ盾に現在の地位に。軍にもいた。暴行で一度訴えられ書類送検されたが、権力で揉み消した。スタッカリー・ファミリーとの収賄容疑も。奴は獅子の皮を被ったハイエナだ』
ジョーは目頭を押さえ、車のところへ戻った。
リリィに礼を言い、ハイランズの居場所を伝えた。
「そうなんですか。でもまさかビフさんのお知り合いとは」
「ビフは顔が広い。あそこでビフを知らない者はいない。Dr.ハイランズも有名な腕の立つ医者で……実は俺も一度診てもらったことがある」
そう言ってジョーはリリィの横でいい子にしているボビィの頭を撫でた。
少し安心したリリィの顔を見ると、ジョーは盛り上げるように言った。
「よし! ボビィ、腹減ったな! 近くのレストランで何か美味いもん食おうか!」
「うん!」
「先は長い。今日はその後ゆっくり休もう」




