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 次の日僕はやることがない。と言うか、何もさせて貰えない。旅の疲れもあるだろうから、「今日はゆっくりするといいわ。」とお母様に言われたのだが、時間をもて余すことに馴れていない僕は屋敷内を歩く事にした。



 ◇



 ぶらぶら屋敷内を歩いて分かった。ガーディン天爵家の凄さを。今まで見たことない造りの建物で、壁にある絵画、飾りの置物、何もかもが高価そうなのだ。触れるのが怖くて思わず中央を歩いてしまう。途中気になったレオンとフローラの部屋の前を通ったが講師の先生に魔法学を習っているみたいだった



 過ごしてきた自分の生活との違い、あまりにもかけ離れている、、、こんなの僕に似合わない。そんな事を思いながら、ふと中庭を通りかかった。



おっシルビ達がいた、何してるんだ?



「おぉぃ、、」



 おっと、護衛の五人とシルビは遠征時の反省会をしていた。思わず振りそうになった手を引っ込めた、、どうやら今から訓練に移るみたいだ



そっか、、これは邪魔をしたな



ゆっくりと踵を返し、音を立てずに立ち去ろうとした



「「「「「ああっリオン様」」」」だ」



わっ!?、思わずびっくりしてしまったが、僕はみんなの方に振り返った



「ごめん、邪魔してしまったね、今から訓練なんでしょう、僕はあっちに行くから気にしないで」



みんなが顔を見合わせて頷いた



「うんそうだ!!リオン様も一緒にどうですか?体を動かすと気持ちいいわよ」



シルビが訓練に誘ってくれた、体を動かすのも良いかもしれない。そしたら変なことも考えないで済む



「それじゃ、僕も訓練に参加させてもらいます」



 僕はみんなと一緒に訓練するした。実際、僕はスキル任せで実践経験なんてない、前世で剣道を少し授業で習った程度だ。この世界では誰かに教わる機会なんてなかった。これはここで基礎を学ぶチャンスだ。、、こらからは素振りだけでもしよう





 数時間に渡る基礎訓練が終わった。なかなかいい感じに汗を流した。最後にみんな僕と手合わせをしたがったので、順番に相手をした。うーん、スキルは偉大だ、剣術スキルのお陰でみんなを遠慮なく叩きのめしてあげた。



「どうしてリオン様はそんなに強いのですか?」



シルビが体を擦りながら頬を膨らましている、僕は皆に回復魔法(ヒール)をかけてやりながらスキルのお陰とは言えず笑って誤魔化すしかなかった



「さあ、どうしてだろうね、ははは」




 その日から毎日のように訓練して一緒に過ごした。そしてサイクルで早2週、戦闘能力は増えないが動作はなかなか様になってきたような気がするかもしれない、訓練以外は何事もなく毎日が過ぎていく。



 ただ何時も同じ服を洗い着回ししている僕に、服が足りなかった事に気づいたお母様は仕立屋を呼んだ。着なれている服に僕が勝手に履き替えていたのだが、気づかれてしまったのだ。仕立屋の服はどれも高級で値段を聞いてビックリ!!町で買ってくるからいいと断ったが怒られた



 そして屋敷に来た日から大変な事が1つある、それは勉強ではなく、お風呂だ。因みに勉強は楽勝だ、始めは小学生低学年程度の計算から今は中学生レベルまできた。それに剣術、魔術は新鮮で楽しく面白い



 大変な事はと言うと、護衛の5人とシルビが交替で洗いくるのだ。そう僕の体を、、、犬じゃ無いんだけどな



自分で洗えると勿論抵抗した、、がムダだった。



 「これは侍女の仕事じゃないでしょう」と断ったら、シルビは「私と護衛だった5人がリオン様の専属メイドになったのよ」と聞かされた。そんなこと僕は知らないんだけど「天地族なら当たり前の事よ、私も含めみんな自分から申し出たそうだから気にしないで」と笑顔で言われた。



天地族はみんなそうなのか?



 アイカは「私の仕事をとるなよ」と逆に怒るし、イリスは「他のみんなはよくて私は断るの?」と泣きそう顔をするし、ウルドは「照れなくても大丈夫よ」と、お姉さん気取り僕は大丈夫じゃない、エルは「断ったら私も一緒に入りますよ」と恥ずかしげもなく言われたか無表情でよく分からない、オリビアは「うんうん、分かってるよ」と言って一人妄想で盛り上がっていた、絶対これは訓練の時の報復だよね。



そんな精神を削られる毎日だったのだ



 そんな毎日が続きいつも暇な僕なのだが、昨晩お父様に「明朝私の部屋に来るよう」お呼びがかかった。病気が治り友人に挨拶に行っていたお父様が、予定より早く帰って来ていたのだ



「朝早くからすまないな、どうだリオン、この屋敷に馴れたか?」



「そう努めてるのですが、、なかなかですね、特にお風呂が、、、」



「んっ?、お風呂に抵抗があるのか?まあ、今ままで入ってなかったみたいだし、湯舟に浸かることもなかったから無理もないか」



ん、何か勘違いされてないか?僕はお風呂事態は好きなんだけど



「今日、リオンに来てもらったのは、、ここから先は」



急にお父様の声が小さくなる



「ここだけの話だ。実は友人の嫡男が私と同じ毒溜病にかかっていたらしく治して欲しいとさ。この事は公にされていない事だ。まあ、病気療養中との事にはなっていたみたいだが。そこへ私が挨拶に行ったものだから大変驚かれて、是非自分の息子もと、お願いされたのだよ」



「それは大変ですね、お父様と同じ病気なら何とかなるとは思いますけど」



「そ、そうか、普通何とかならない死を待つ病気で終病とも言うのだぞ、、、まあ、何にせよ、ありがとう良かったよ、これで友人に対して顔をたてる事が出来る、よし、では早速向かうとするかラインハルト天上爵領へ」



「ラインハルト天上爵領?」



「そうだ、学生時代からの友人なんだよジークス・ラインハルトは、そして今はラインハルト天上爵家の当主をしている」



「そ、そうなのですか」



はあ、天地族のお偉いさんなんて会いたくないよ、礼儀作法がなってないと罰を受けないだろうか?



「お、お父様、僕は礼儀作法なんて知りません、大丈夫なのですか?」



「ああ、気にすることはない、先方にはその旨伝えている。それに、今回はお忍びで会いに行くことになった。どうも嫡男の容態がここに来て悪化したらしく、それで私も挨拶周りを切り上げ屋敷に戻って来たのだ。それで急ぎ馬車ではなく早馬で行くぞ。馬車では3日かかるが早馬だと1日で着くからな」



「そうだなんですか、直ぐに支度をします」



「リオン、宜しく頼むぞ」





 早速支度を整えて馬小屋に向かう、するとそこにお父様ともう1人筋肉隆々の30代後半の男性がいた、この人はガーディン天爵領騎士団の団長らしい今回護衛を勤めてもらうのだ、お忍びの行動なので3人で行くになった。



「これはリオン様、私は今回護衛を勤めます、ガーディン天爵騎士団長のバッシュと申します」



「僕はリオンです、道中足を引っ張らないように頑張りますのでよろしくお願いします」



「おっそう言えば、リオンは馬は乗れるのか?」



「はい、大丈夫です」



スキルと身体魔強化で多分大丈夫だよね



「ほほ、これは頼もしい、殿は私が勤めます。疲れたら申してください」



バッシュは僕が強がってると思っているみたいだ、全く失礼な!




 ◇



 そして、3人で早馬を走らせた。途中2度休憩をとったが思いの外順調に行き夕刻には無事にラインハルト天上爵の屋敷に着いた。お父様とバッシュは僕が普通に付いて来たことに驚いていた。


「り、リオンは馬の扱いも上手何だな」



お父様が冷や汗を垂らしている。しまった、お父様は僕にいい所を見せたかったみたいだ、気づかなかった。



「さ、流石はリオン様です」



 お父様に付いて裏口に回った。直ぐに執事らしい人が来てラインハルト天上爵の長男の部屋に案内された。ん、非公認とは言え出迎えてが少ない気がする



「ガーディン天爵様、こちらの部屋になります」



トン、トン、トン



「旦那様、ガーディン天爵様をお連れ致しました」



中から入るように、と声が聞こえた。



 中に入ると空気が重苦しい、どんよりと重い。1つの豪華なベットを数人の人が囲むように立っていた。ラインハルト天上爵らしい人、その夫人らしい人、妹らしい子、使用人にお医者様らしい人達がいてこちらを見た。



「おお、アルベルト、その子がそうなのか?」



「ああ、そうだ」



「そうか、悪いことをしたな、、、たった今容態が悪化してな、医者のロイドには、明日の朝を迎えることは出来ないだろうと診断されたんだ、もう手遅れなんだ」



成る程そう言うことか、道理で、、ここは空気が重い



「リオン!?」



 お父様は僕の方を見ている、僕はベットに横になっている長男を見た、長男の顔は紫を通り越しどす黒い、毒が体中にひろがっているのだろう。呼吸も弱々しい。直ぐに鑑定してみる。




 ーーーーーーー鑑定弱ーーーーーーーーーーー

 

 名前 アルス・ラインハルト 年齢 16歳 男性 

 状態 毒溜病(末期) 猛毒弱体 瀕死

 

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 うわ、毒溜病は末期、しかも猛毒弱体になっている。しかも、瀕死って、これは普通に治して間に合うのか、、、いや持たないかも知れない。



「頼めるか?」



「はい、やってみます、、、では、正直時間がありませんので今直ぐにでも、やります」



僕は覚悟を決めると治療のイメージを頭の中に巡らせていく



「ジークス、すまないがリオンに任せてくれないか?」



「そうだな、、、少しでも可能性があるならば」



 医者のロイドは何か言いたげに口を開いた、こんな子供に何が出来るとでも思っているんだろう。ラインハルト天上爵様がそれを止めてくれた。そして長男アルスの横に行くように言われ、みんなには僕を側まで通すように言った、僕は頷きベットの横まで行く。



うわ、酷い顔だ。それに痩せて頬がこけている



 近くで見ると顔色の悪さが一層分かる、本当に時間がない。早速、身体魔強化してお父様の時と同じように右手に回復魔法で毒の浄化と水魔法で毒を流していくイメージでダブル解毒魔法の魔力を集める、更に、今回は左手にも光魔法の状態異常回復と土魔法の癒しの魔力を集め体力の回復を図る事にした。本当は左手にも回復魔法を使いたかったが、同じ属性魔法は同時に使えないから、、仕方ない。よし、イメージは固まった、



僕は4属性同時に魔力を練っていく。



ぐぅ、これは思ったよりキツい僕に出来るのか?


 

 魔力の集まった右手をアルス様にあてる青白い柔らかい光が包み込んでいく、更に左手を額にあて魔力を解放していく、、するとアルス様を包んでいた青白い光を更に薄いオレンジ色の光が包んでいく。



くっ!はあ、はあ、はあ



まだだ、これではダメだ、もっと魔力を高めないと!!



お父様の時と違い毒溜病からの抵抗を感じるのだ。更に魔力高めていく



くっ!!



まだ、か!!、まだ抵抗するのかよ



はあ、はあ、はあ



こんっのぉぉぉぉぉ!!



するとパーンと何かを突き破った感覚があった



よ、よし、今、、なら!!



あたたかい光が部屋中を満たしていく、光が激しく輝きだした。



神聖水魔法(デトクスダブル)!!」「土光魔法(アースライト)!!」



一気に魔力を解放した。部屋中を激しく青白い光輝きやがて光が治まり続いてオレンジ色の光がアルスの体に溶け込んでいった



【並行魔法スキルを取得した】【回復魔法:下が回復魔法:中となった】



 諦めムードだった空気が払拭されていく、リオンの莫大な魔力を解放して行った治療に。こんな子供に何が出来ると思っていたラインハルト天上爵様をはじめ、顔色の良くなったアルスを見て他のみんなも目を見開いて驚いている。



「リオン今何を」



 何か頭の中に声が聞こえたが確認する余裕がない、頭がクラクラする、アルス様のベットに手を置きやっと体を支える。アルス様はどす黒い顔から少し肌色の顔に赤みが差している。



顔色が良くなった様に見えるが、もう一度鑑定をしてみる、どうか、、、、治ってますように、、。



  ーーーーーーーーーー鑑定弱ーーーーーーーーー

  

 名前 アルス・ラインハルト  年齢16歳 男性 

 状態 溜病 

     

  ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



はあ、はあ



良かった解毒出来てる



額から玉粒サイズの汗が流れている、この、後はお父様と一緒だ、僕は震える手で霞む目をしきりに擦り、、魔法を続ける



後、もう、、少しだ。



皆がまだ、何かするのか?と言うような顔をしているが、、溜病状態をなんとかしないと再発してしまう。今度は回復魔法を水魔法でスムーズに循環していくイメージだ、体の循環機能の回復だ。



僕は回復と水の魔力を絞りだす



神聖水魔法(サーキュレーションダブル)!!」



 再びアルス様に薄い水色の光が包み込み体内に浸透していった。




さあ、これ、で、、、どうだ!




 ーーーーーーー鑑定弱ーーーーーーーーーーー

 

 名前 アルス・ラインハルト 年齢 16歳 男性 

 状態 良好

 

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 よ、良かった、治ってる、、、あ~、、不味い、、かなり無理、、したみたい、だ、意識を保てない。




「お、お父、、様、もう、大丈夫だと、、思います、、僕は、、ちょっと疲れま、、した」



「ほ、本当か、よくやったぞリオン」



ホッとした僕はそのまま意識を失った





 ーーーーーーーギルドプレートーーーーーーー

  ギルドランク G

 名前 リオン・ガーディン  年齢  14歳  男性 


   戦闘能力 122【244】

   

 《スキル・魔法》

 ・暗黒魔法:極 ・神聖魔法:中 ・四大属性魔法:中

 ・無魔法:下 ・光魔法:下 ・闇魔法:下 ・合成魔法

 ・並行魔法

 ・武神:中 ・二刀流 ・忍 ・超人 ・料理

 ・身体魔強化 ・毒耐性:上 ・収納 ・鑑定:下

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



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