28
僕達は並んで正座をしている。もうどれくらいの時間足の痺れと格闘しているだろうか?
ーーんっ!?
みんなの会話が雑談になっていく、、、。
ーーこれは、チャンスだ。
みんなはお腹が空いて来ているらしく、食べ物の話が多くなった。ここで料理の提案を打って出るしかない。そしてみんなの機嫌をなおしてもらおう作戦だ。隣のショウヤもこくこくと期待の目で僕を見ている。
「みんな、どうだろう。そろそろ夕飯を、、、どうかな?僕が準備しようと思うんだ。」
「そうね、みんなもお腹空いたわよね。」
待ってました、とばかりにクレア先生が笑顔でこちらを振り向いた。
「リオンくん是非お願いします。」
「えっ!!リオンは料理出来るの?」
「私もちょっとショックですね、私料理出来ませんし。」
レーナ先輩の喜びの声とは反対に、シーラとシャロンが驚きの声をあげた。余程ショックらしくがっかりと俯くシャロンがいる。
「美味しいもの作ってねリオンくん」
「リオちゃんの料理はすごくおいしいです」
「そうね、楽しみね」
僕は直ぐに立ち上がった。ショウヤも立てることの喜びを噛み締めている。二人とも足がぷるぷる震えている事には触れないでほしい。
みんなの機嫌が変わったら大変なので、早速土魔法で簡易の調理部屋を作ると料理に取りかかった。今日のメニューはモウ肉煮込みスープとパンだ。大きなフランスパンみたいなパンをカットしてみんなの分を切り分けた。あとはシーラが学園を出る前に後から持ってきたアプルの実を魔法で凍らせて食後のデザートするつもりだ。シャリシャリのシャーベットがいいだろう。
「出来ましたよ、パンは少し硬くなっているのでスープに付けて食べてください。」
「はーいです」
「まあ、すごくいい匂いだわ」
「本当に、あるものだけで作ったなんて信じられない。」
「それじゃ食べましょうよ」
「「「「「「いただきまーす」」」」」」
みんなは食べ終わるまで黙々と食べた、一言も話をすることなくだ、ショウヤはまともに食べていなかったのか涙を流しながら3杯おかわりした。
「あー、食った食った旨かったよ、リオン、、お前がこんなに料理が上手いなんてな。ありがとうな。」
「ああ、次はデザートだよ。アプルのシャーベットを持ってくるよ、待ってて。」
食後のデザートも好評でみんなの機嫌も良くなった。これでもう正座何て言われないよな。
食事後、許しを得た僕とショウヤはやっとみんなと同じテーブルを囲む事が出来た。
それから僕たちは今後の事を話し合うことにした、まずクレア先生が天魔族や魔珠の事を王国に掛け合ってくれるそうだ、当然ショウヤも一緒に行くらしいが、ショウヤはこの世界の住人をまだ信用していないみたいで渋っていた。
そして僕は学生なので表だって長期的な活動がとれない、クレア先生に首を突っ込まないようにと釘を刺されたのだ。
そこで基本的にはショウヤが魔力感知器を使って魔珠を探し出し、僕は内緒で探索することにする。
何たってショウヤは転移魔法が使える、便利だ。1度行った所なら転移出来る。魔装すれば僕も一緒に転移出来るとのことだ。
ショウヤとコソコソ話をしていたら、みんなに変な目で見られてしまった。
「リオちゃん男に興味持ったらだめです。ここはアイリスが、、、、、、あう。」
そう言ったアイリスが僕の膝に座わるべく、立ち上がろうとしてレーナ先輩に頭を押さえつけられていた。
「アイリス、そう言うのじゃないから大丈夫、、」
「僕は、少し、、。」
「ショウヤそう言う冗談は止めてくれよ、みんなが本当に誤解するから。」
ーー怖いんだぞ
「あはは、悪かったな。」
「あっ!!そうそうトキトウ君、、」
さっきからずっと考え込んでいたクレア先生はショウヤの事を考えていたみたいだ。
それは特定の場所に留まっていないと聞いたクレア先生がショウヤを学園の用務員として雇ってくれるように学園長に頼んでくれる事になった。上手くいけばショウヤは用務員室に住むことが出来るのだろう。
まあ、異世界人で天魔族とも渡り合えるショウヤをママール王国領内に留めたいと打算があるみたいだが。
◇
夜が明け無事?朝日を浴びた僕は眠りが浅く寝不足の目を擦っている。、、キャンプみたいに川の字で寝れると楽しみにしていたが、三|三の体制で寝ることになった、僕が|の位置だ。みんながやたら寝相が悪くこっちに転げて抱き枕にしようとするのだ。
「ふぅ、、寝不足だな。」
「あははは、こう、じゃなかったリオン!!目の下に隈が出来てるぞ。隈が出来てくまったなぁ、、ぶはっ!!」
ーーまた、しょうもない事を。
「、、、、。帰ったら部屋でたっぷり寝るよ、、取りあえずショウヤはよかったな、クレア先生が学園長に掛け合ってくれてる間も学園の来客室に泊れるようにしてくれるみたいだぞ。」
「ああ、助かったよ。でも懐かしいな学生に戻ったみたいだ。」
「ああ、そうだね。」
前世は僕も、、学生だったんだよな。、、、今も学生か、、、ただ前世に誰かと過ごしていた記憶が曖昧で思い出せないんだよな。
「あーいたいた、リオンくん。」
「どうしたのですか?」
「王国に帰る前に昨日の祠の魔素を見てみたいのよ。」
「いいですよ、、魔素の量が減っていたので危険な魔物も少なくなったと思いますしね。」
「そうなの、それを聞いて安心したわ、、一応王国に報告しないといけないからよろしくね。」
それからショウヤを中衛に加えた隊列で祠へと足を運んだ、途中シャロンが〈弓術:下〉のスキルが取得出来たと喜んでいた。弓を使いだして2日目でスキル取得ってシャロンも何気にすごい。
「もうそろそろ祠ですよね、、あれ、冒険者の方が沢山のいますね。」
「本当だわ、2、30人位いるわね。」
「みんなちょっと止まってくれ、様子がおかしい。」
警戒スキルはなってない、僕がそう言ったのはカンに近い、それでもみんなは進行を止めてくれた。
「!?、、みんな隠れてあれは、、魔族だ!!」
ショウヤが慌てて側のアイリスとレーナ先輩を茂みに引っ張り、僕は両脇に抱えるようにシーラとシャロンを茂み運んだ、クレア先生は自分で茂みに隠れたが、なにか不満だったらしく僕を凄く睨まれた。
ーーしょうがないよね、クレア先生が一番大丈夫そうだし。
「ごめんなさいね、私が祠を確認しに行きたいなんて行ったから、、ねぇ」
ーーッ!!
クレア先生がみんなに申し訳なさそうに謝ってるけど、僕の足踏んでるから。
「大丈夫ですよ、、それにまだ見つかってませんし、このままこっそり樹海を引き上げましょう。」
「でも魔族の見た目は人と変わらないのですね」
シーラが驚いた様に話すが、皆も頷いている、かく言う僕も魔族を始めてみたのだ。
「そうだね違いと言えば、魔族は耳が少し尖っている所と、今は背中に隠しているみたいだが、黒い翼があるんだ、そして魔族は力が弱いが、魔力量が多い。そうだね、魔力量は天地族位はあるんじゃないか。」
ショウヤがみんなに解りやすく教えてくれる。僕も魔族の事は分からない、ショウヤがいてくれて良かった。僕の警戒スキルはならなかったし、他の冒険者と間違えていたかも知れないな。
鑑定使えば良かったんじゃないか?と思ったが使いなれてなかった所為で咄嗟に頭にもなかった。
「でも、見つかったら魔族の方が人数が多いからこちらが不利だったね。」
「このメンバーで魔族とまともに渡り合えるとしたら僕とリオンと先生位だ。後の4人は、2人掛かりでやっとだと思う、、相手も多いどうなるか分からない、誰か1人でも人質に捕られる様な事があったら終わりだ、手が出せなくなる。」
「でも、どうしてだろうか?」
「この場所は僕達が、天魔族のゴーラスとライガインと戦った場所でもある、もしかしたらゴーラスとライガインを捜しにきたのかもな。」
「そうだとしてもここに留まっているのは不味いな、気付かれるかもしれない。」
「相手の目的が分からないのが残念だけど、仕方ないわね。」
「そうだ先生!!あとは僕に任せてくれよ、魔族の後をつけてくる、僕はこう見えても気配遮断が使えるからな。」
「ちょっとショウヤ大丈夫なのか?」
「ああ、いざとなったら僕には転移魔法がある。逃げれるさ。」
「何かあったら私にも教えるのよ、、いいわね?、、トキトウ君くれぐれも気を付けるのよ!」
「ああ、分かってるよ、先生!!用務員の件お願いしますよ。」
「はい、はい大丈夫よ。」
「じゃあ、行ってくるよ。」
そう言うとショウヤの気配がスーっと消えて行く、意識しないと分からないくらいになった。僕は忍スキルがあるから分かるがみんなは既にショウヤを見失ったみたいだ。
「僕達はそろそろ帰ろう!!」
ショウヤと別れた後、無事にココール樹海を後にした。
学園に帰る道のりはなに事もなかったが、クレア先生は魔族の時に1人置いて行かれた事を根に持っていて、私の愛が足りないのかしらと何やらボソボソ言っていた。
その日の夕方に学園に着いた。張り詰めていた緊張がとけ、皆とも笑顔で別れた。こうして僕達の遠征は無事に終わることが出来た。良かった。
◇
ーその日の夜・男子寮ー
コンコンと部屋のドアを軽くノックする音がする。
ーー誰だ!
「僕だ、リオンいるか?」
ショウヤみたいだ、僕はドアの鍵を開け、中に入ってもらった。
「ショウヤ無事に戻ったんだな。」
「ああ。」
ショウヤの顔は真剣さを帯びていた。何かあったのだろうか?
「何かわかったのか?」
「ああ、あの魔族共、ザンクロス王国のクロス城に入っていったぞ。」
「どういう事だ、ママール王国から北部に位地するザンクロス王国は人族の国だ、そこに魔族が出入りするなんて。」
「いやぁぁな、、詳しく調べようと思ったんだが、、そ、それが、、上級天魔族が3人もいてさあぁ、、死ぬかと思ったよ。」
「また天魔族か、天魔族は結界破壊の前に何かしようとしているのか?、」
「さあな、それは分からんが、、警戒はしとかないとな。間違いなく僕の持ってる魔珠は狙ってくる。」
「そうだろうな、、なぁショウヤ、僕達だけじゃ手に余る。まずはママール王国にも警戒だけでもしてもらわないと、明日でもクレア先生に相談しよう。」
「ああ、そうだな、、、だが。」
「だが、どうしたんだ?」
「すまん、、もう疲れたから寝るわ。」
「ショウヤまだ話の途中、、だって。」
「なに?聞こえないぞ、もう魔力が切れて限界なんだ。時空魔法の連続だったんだ。」
ーーあああぁぁ!!
バサッとショウヤは僕のベットにそのまま倒れこんだ。あまりの衝撃に僕は声にならない叫び声をあげた。
「こら、ショウヤ汚れた格好で寝るなよ、、それに、そこは僕のベットだぞ、、、。」
「まあ、、まぁ、、、おや、すぅ、、。」
「あああぁぁぁ!!僕はどこで寝るんだよ、、。」
「ZZZzzz、、」
次の日も寝不足確定のリオンであった。
ーーーーーーーギルドプレートーーーーーーー
ギルドランク F 王立学園1年生
名前 リオン・ガーディン
年齢 15歳 男性
戦闘能力 672
身体魔強化時【1344】
身体魔強化+無属性身体強化時《2016》
暗黒魔装+1000《3016》
《スキル・魔法》
隠蔽・暗黒魔法:極
隠蔽・魔神:上
隠蔽・同属魔法発動
隠蔽・合成魔法
隠蔽・並行魔法
隠蔽・武神:中
隠蔽・二刀流
隠蔽・忍
隠蔽・超人
隠蔽・身体魔強化
隠蔽・毒耐性:上
隠蔽・大地の加護
・神聖魔法(魔神)
・料理
・収納
・鑑定:下
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