009
☆
戦場の“最終楽章”を奏でる指揮棒を振るったのは、圧倒的優位を保っていた《月同盟軍》ではなく、《統合軍》――
それも、たった一機の《パンツァー・ヘッド》だった。
グナイゼナウ中将率いる左翼艦隊の一隻が、巨大な爆発と共に轟沈した。
「莫迦な? 一体何が起こった。報告せよ」
包囲網の完成を急いでいたグナイゼナウ中将の表情が硬直し、情報士官に向けて怒号を上げた。
撃沈した戦艦はいち早く包囲網を完成させために、左右の艦との連携を怠って単独行動に出た所を叩かれたようだった。
この結果に、グナイゼナウ中将は己を叱責した。
すでに《月同盟軍》の包囲網は完成を迎え、《統合軍》の抵抗も弱まっていた以上、無理な艦隊運動を強いるべきではなかった。自身の指揮が必要以上に艦隊を急がせ過ぎたことは自明だった。艦一隻と千を超える兵士の命という甚大な被害を、それも無駄な犠牲を出してしまったことに、怒れる闘将は自身の愚かさを許せずにいた。
しかし、この戦場に置いてグナイゼナウが艦隊の砲火を休めずに直進を続けたからこそ、《統合軍》の崩壊が早まったことも事実であった。五隻が沈んだ《統合軍》の艦の内、三隻はグナイゼナウ中将の艦隊による功績であり、その分、本来他の艦隊が受けるべき砲火をも引き受けていた。
「……一体、我が艦を沈めたのは、どの艦だ?」
グナイゼナウは仇敵を見定めるために声を荒げた。
「提督、戦艦ではありません。《パンツァー・ヘッド》です」
情報士官のその言葉を置き去りにしてしまうかのように――轟沈した艦の爆発の中から、一機の《パンツァー・ヘッド》が流星となって戦場を駆け抜けた。
レーザーや実弾が激しく飛び交う中を、立体的な機動を以て縦横無尽に駆け巡るその《パンツァー・ヘッド》は――
――眩い黄金そのものだった。
流星が通り過ぎた後で、二つの爆発が巻き起る。
右翼と左翼の艦隊を抜き去った“黄金の機体”が、展開している《月同盟軍》の《パンツァー・ヘッド》二機を、認識する間もなく宇宙の藻屑に変えた。そして、旗艦《クロケア・モルス》が指揮する“中央艦隊”の前に出る。
“黄金の機体”は、甲冑を纏った“騎士”のように壮麗だった。流線的な機体の両腕の先、人間の“手”と同様の形をした《マニピュレーター》には、“巨大な武装”が握られている。
左の武装は――巨大な“長槍”。
右の武装は――眩い青の光を放つ“剣”だった。
その光剣は、《フォトン・ソード》と呼称された《パンツァー・ヘッド》の武装の一つだった。
“剣の柄の形”をした《粒子発生器》から“荷電粒子”を大出力で放出し続けることで、“光子の刃”を形成する近接戦の武装である。膨大なエネルギーを消費することから、量産化や一般化のされていない特殊な武装ではあるが、性能は他の近接武装を遥かに凌ぐ。
「――ほう。“黄金の機体”とはな」
突如、轟く雷鳴のように戦場に現れた黄金の《パンツァー・ヘッド》を前に、ユリウスはそう漏らして立ち上がった。
「《精鋭騎士団》の《パンツァー・ヘッド》に酷似していますね?」
ヨナが緊張を含んだ声音で告げる。
《神聖大英帝国・精鋭騎士》とは、優れた《パンツァー・ヘッド》の操縦士のみで構成された《ヘッド》部隊であり、《統合軍》の要請によって出撃する“独立機動部隊”のことを指す。
《月同盟軍》は、グナイゼナウ中将の節足とも言える指揮から一隻の艦を失い、更に黄金の《パンツァー・ヘッド》に二機の《パンツァー・ヘッド》を撃破された動揺に揺れていたが、ユリウスは冷ややかな眼差しのまま戦場を見つめていた。
「敵“旗艦”と思われる戦艦を拡大せよ」
情報士官が即座に実行する。
艦橋のスクリーンに映し出されたのは、白鳥のように美しい純白の戦艦だった。
艦影からデータを検索した情報士官が、艦名を高らかに告げる。
「《精鋭騎士団》旗艦――戦艦《アルトリウス》です」
戦艦の名が《アルトリウス》と判明すると、艦橋に衝撃が走った。
「機体データを照合した所、あの金色の《パンツァー・ヘッド》は、《神聖大英帝国・精鋭騎士団》に配備されている《パンツァー・ヘッド》――《カリバーン》に該当しますが、どうやら特殊な兵装を施してあるようです」
「専用機だな」
“それでは、あの機体のパイロットは――もしや?” と、ユリウスは思案する。
そして次にあの機体のパイロットが、どのような行動に移るのかと考えを巡らせた。
しかし、次に黄金の《パンツァー・ヘッド》が取った行動は、《戦場の皇帝》の異名もつユリウスと言えども予想外のものだった。
砲火を華麗に掻い潜り、《月同盟軍》の中央艦隊の位置する宙域まで直進した黄金の《パンツァー・ヘッド》は、ユリウスの艦隊を前に急停止しを行った。そして機体の“肩”部分――《ショルダー・マズル》と呼ばれる“発射口”から、《発光信号弾》を打ち出した。
即座に信号の内容を解読した通信士官が解読内容を告げる。
「――〝一般通信回線を開け〟と、言ってきています」
一瞬“降伏”か、とも考えたユリウスだっが、それならばわざわざ《パンツァー・ヘッド》が発進する意味もないなと至り、黄金の《パンツァー・ヘッド》を駆るパイロットの行動に興味をそそられた。
「回線を開け」
一般回線を開くと、音声と共に艦橋のスクリーンに《パンツァー・ヘッド》の操縦席内の映像も映し出された。
そこに移っていたのは“年端もいかぬ少女”だった。
しかし、誰しもがその操縦士の名を知っていた。
ユニタード式の青色の“パイロット・スーツ”を身に纏い、“ヘルメット”を外して素顔を晒したその少女は、美しく可憐でありながら、勇ましく精悍だった。
金色の髪の毛を結って纏め、翡翠の双眸を持った少女が――
――同じく金色の髪と、翡翠の双眸を備えたたユリウス・ハイペリクス・カエサルを見つめて口を開いた。
「火急の中、こちらの呼びかけに応じて頂きありがとうござます。私の名は――《神聖大英手国・精鋭騎士騎士団》団長、そして《神聖大英帝国・第三王女》ノエル・アルトリウス・コーンウォールと申します」
少女が高らかに名を告げると、戦艦《クロケア・モルス》の艦橋が“やはり”と揺れた。
《神聖大英帝国・第三王女》ノエル・アルトリウス・コーンウォールの名は、《月同盟軍》でも広く知られ渡っている。
ノエル・アルトリウス・コーンウォールは、自身の領地である《コーンウォール》を治める堅実で誠実な領主であり、《神聖対英帝国・精鋭騎士団》を率いる有能な騎士でもある。
“姫殿下”や“姫騎士”の愛称で親しまれた少女が積み重ねた数々の武勲は、《統合軍》のみならず《月同盟軍》でも広く伝えられ、たった一機の《パンツァー・ヘッド》で戦線を保ち《月同盟軍》を打ち破った《シュトロハイム撤退戦》は、作戦を立案した《大日本帝国・帝国宇宙軍》の軍人と共に、《パンツァー・ヘッド》乗りの間では語り草となっている。
《誉れの騎士》とも呼ばれ――そして地球の古い歴史、かつての伝説の中にのみ存在した“アーサー王”の生まれ変わりとも喧伝されている。
そんな一騎当千の騎士が今この戦場にいると知り、《月同盟軍》はその表情を強張らせた。
しかし《月同盟軍》の最年少大将――ユリウス・ハイペリクス・カエサルだけが、ただただ悠然と、そして泰然自若と美しき姫騎士を見つめていた。
「私がこの艦隊の司令官――ユリウス・ハイペリクス・カエサルだ」
ユリウスが名乗ると、ノエルの表情が強張った。
互いの視線が交錯し、お互いの瞳の奥に宿るものを見定めようと火花を散らす。
「カエサル提督、お初にお目にかかります。この戦場を穢す恥を忍んで、提督にお話があって馳せ参じました」
「聞かせてもらおう」
ユリウスは手を広げて話を促す。
「この戦場の勝敗を――私との“一騎打ち”をもってつけて頂きたい。相手は、提督旗下の者ならばどなたでも構いません」
「ほう。王女殿下は“一騎打ち”と申すか?」
「はい」
「ならば、これは戦争内における“外交交渉”の一つと見なすが――それでよろしいか?」
「どのような受け取られ方をされても……私は構いません」
「よろしい。全軍に次ぐ一旦攻撃を止めよ」
司令官の言葉を通信士官が全艦に向けて発信し、ほどなくして攻撃が止んだ。
同じように《統合軍》の抵抗も止み、戦場は異様な静けさに包まれた。
《月同盟軍》、そして《統合軍》の全ての提督と騎士、士官と兵が――若き二人の将の邂逅を見守ることとなった。
「カエサル提督、ご配慮ありがとうございます」
「構わぬ」
ユリウスが静かに頷いて続ける。
「さて、王女殿下は“一騎打ち”にてこの戦場の勝敗を決すると仰られたが、現在の戦況は、圧倒的に我が艦隊が有利であり、包囲された統合軍の敗北は必至だ。この状況で、私が王女殿下の提案に乗る理由があると申すか? そして、仮に“一騎打ち”を行ったとして――互いの勝利と敗北にどのような価値をつける?」
ユリウスは戦場を言葉での交渉に移し、王女殿下に厳しく切り込んで行った。
受ける刀を返すように、ノエルも刃を言葉に変えて返す。
「我々の敗北が必至であるということに異論はありません。しかし、この一騎打ちによって、私たちは互いに、これ以上の無駄な流血と犠牲を防ぐことができるでしょう。そして、互いの勝利の敗北の価値ですが、私がカエサル提督旗下の兵に勝利をしたらのならば、我が艦隊の無事を約束して頂きたい」
「ほう。では王女殿下が敗北なされたら」
「私を……“捕虜”としてください。私は《月同盟軍》に投降いたします」
「王女殿下を……“捕虜”とするか?」
ユリウスは長い金髪をかき上げて額に手を当てた。
「悪くない提案だが、王女殿下は一つ勘違いをされている」
「勘違いですか?」
「この戦場を支配しているのは――この私だ」
ユリウスは翡翠の双眸を冷やかに光らせ、傲岸不遜に言ってのける。
「王女殿下の言葉に乗せられずとも、我々は王女殿下の艦隊を全滅させ、そして王女殿下を捕虜とすることができる。これでは、決して対等な交渉とはいえない気がするが――如何か?」
「ならば、そのようにしてください」
ノエルも平然と言って退ける。
互いの表情に宿る覇気が、この交渉に置いて互いの優位をまるで疑っていないことは明白だった。
「ですが、カエサル提督は必ずや後悔なさるでしょう。《神聖大英帝国》の騎士は、気高く、強い。この戦場にて、必ずやそれを証明し《月同盟軍》に甚大な被害をもたらすでしょう。そして、この私の剣は――必ずや、ユリウス提督の艦に届きましょう」
ユリウスは口の端を吊り上げた笑みを浮かべた。
この勇ましくも清廉な王女殿下を前にして、ユリウスの持つ武人としての矜持が擽られ、体中に武者震いにも似たさざ波が立っていた。
かつて、これほどまでに気高く勇猛な女性がいただろうか?
ユリウスはそう自分自身に自問した。
――否、いるわけがない。
そして、この時のユリウスの頭の中には、幾つもの複雑な感情や思惑が渦を巻いていた。
どうやら我が艦隊は優位に戦況を進めてはいたが、その実この王女殿下の思惑通りに事を進めてしまったようだと、ユリウスは素直に認めざる終えなかった。そして王女殿下の言う通り、この戦場に置いてこれ以上の犠牲は不要だった。
この宙域における戦いの勝敗は決したも同然だった。
これ以上の戦闘は“掃討戦”というよりも醜悪な“虐殺”であり、《月同盟軍》にも無駄な消耗を強いることとなる。それならば“一騎打ち”にて勝敗を決し、互いにこれ以上の損害出さずに矛を収めるのも賢い選択といえるだろう。
この度の艦隊出動の目的である《統合軍》が“緩衝宙域”に建造した“コロニー”の制圧は終わり、《統合軍》の撤退は疑いようがない。すでに当初の目的を完遂したとなれば、《神聖大英帝国》の第三王女を“捕虜”できるこの機会は僥倖と言えるだろう。
そして、それこそがユリウスが望んでいたことだった。
会戦前の作戦会議にて、ジョン・グロスター・アイルランドがコロニー建造の指揮を務めていると知ったユリウスとその旗下の提督は、神速の電撃戦を以て《統合軍》を壊滅させた後、アイルランド卿を捕虜として《月同盟軍》に連行するつもりでいた。アイルランド卿がコロニー内に籠城しようが、コロニーを見捨てて逃亡を図ろうが、ユリウスとその旗下の提督達は、アイルランド卿の“捕縛作戦”の成功を疑ってはいなかった。
しかし、いざ会戦が始まってみると《統合軍》の抵抗は思ったよりも強力であり、何よりも秩序立っていた。そして包囲網の完成が遅れたことで、《月同盟軍》は逃亡したアイルランド卿を捉えられる時間的境界線を越えてしまった。
ユリウス及び、他の提督達がアイルランド卿の捕縛に設定した制限時間は“二時間”だった。二時間以内に《統合軍》の殲滅を終えてコロニー内を制圧できれば、足の遅い“重量級の戦艦”に乗るアイルランド卿に追いつくことは難しくなかった。
グナイゼナウ中将があれほど包囲網の完成を急いだのも、戦闘を終了後に再編した“高速艦”の部隊を以て、逃亡したアイルラン卿を追って《L5》方面に進軍する手筈だったからである。
ユリウスとその旗下の提督達は、初めから《統合軍》のコロニーなど相手にはしてはいなかった。
コロニーの制圧は当然のことと考え、それ以上の戦果と武勲を求めていた。
そして今、その武勲がユリウスの目の前に存在した。
アイルラン卿などとは比べ物にならない――眩い黄金の輝きが、そこにはあった。
「よろしい」
ユリウスは頷いて見せた。
「王女殿下の“一騎打ち”の相手は、この私が務めるが――よろしいか?」
その言葉に、ノエルは驚きで双眸を見開いた。
「私は構いませんが、カエサル提督自ら……よろしいのですか?」
「私が相手では不服かな?」
「《戦場の皇帝》が相手とあれば、このノエル・アルトリウス・コーンウォール――騎士の誉れです」
「私とて、“アーサー王”の生まれ変わりと謳われる《誉れの騎士》が相手とあれば――武人の本懐である」
ユリウスは通信を切った。
「私の《シーザー》に火を入れよ。出撃する――」
ユリウスは赤いマントを翻して高らかに宣言した。
「ユリウスさま――」
踵を返す司令官の背に、戦場での声とは思えぬ弱々しい声が投げかけられた。
ユリウスが振り返ると、艦橋のスクリーンにはアレクセイ・ヴェルサリウス准将からの通信が映像つきで入っていた。
羊の毛のような金色の髪の毛をもった青年士官が、今にも泣きそうな顔で親友を見つめている。
「何も……司令官閣下自ら出撃なさる必要がどこにありましょう? 我が艦隊旗下の人材は豊富です。ここは……実戦経験の多い優秀な《パンツァー・ヘッド》の操縦士を出撃させるべきです」
その意見具申は、戦闘中にあっては異例のものであった。
心優しきアリョーシャが、無二の親友を気遣っていることは容易に理解できたが、それでもこの若き司令官は激怒して言った。
「アレクセイ・ヴェルサリウス准将――分を弁えよ」
冷ややかな声が艦橋に木霊する。
「貴官は、この私に一度取りつけた外交上の約束を違えよと? そして、この私に武人としての矜持を捨てよと言うか?」
ユリウスに一括されて、アリョーシャは胸を抉られたように顔を歪めた。
「……申し訳ありません。出過ぎたことを申しました」
「分かればよい」
ユリウスは頷いた。
「ヴェルサリウス准将、覇気のないものは戦場に置いて不要であると知れよ。そのような情けない顔をされては、貴官を将とする士官や兵が憐れである」
この厳しすぎる言葉に、戦艦《クロケア・モルス》の乗組員だけでなく、戦艦《ダモクレス》の乗組員たちも、自らが叱責されたような思いでいたが、その士気は衰えるどころか増していた。
艦隊を指揮する司令官自らが戦場の最前線に赴く――
それも双方の軍にこれ以上の不要な犠牲を出さぬためであり、“宇宙の棺桶”と呼ばれる《パンツァー・ヘッド》に搭乗しての、敵将との一騎打ちである。
戦場で戦う兵の士気を、そして忠誠心を、これ以上に高めるものがあるだろうか?
過去の歴史においても、自ら命を賭して戦い、戦闘の最前線に立つ将の元にこそ、多くの兵が集って来た。そして恐れを知らぬ将の元で多くの兵が命を懸けて戦い、最大の力を発揮して敵を粉砕してきたことは、何度も証明されてきたことである。
「司令官閣下が、我々兵の犠牲を亡くすために最前線に赴いて下さる」
「それもパンツァー・ヘッドに乗っての一騎打ちだ」
「カエサル提督万歳」
今、ユリウス旗下の全ての兵が奮い立っていた。
しかし、各艦隊を指揮する提督達の思いはそれぞれだった。
「司令官閣下は兵を焚きつけるのが上手いな。これが弁が立つということなのでろう。しかし、この一戦を前に奮い立たぬ兵などおらんな。血が滾ってしかないわ」
グナイゼナウ中将は、ユリウスの持つカリスマ性を素直に称してみせた。
「やれやれ。この一戦は……まぁ良い。しかし、この先は両軍共に荒れるだろな? できることならば、私が選んだ上官が道を誤らないことを願うばかりか」
ミニッツ中将は、すでにこの先の情勢を見通して言葉を発した。
「ふむ。ここで堕ちるなら、所詮はそれまでの男だったということなのだろうな」
ロンメル中将は、ただ静かにそう言ってのけた。
三者三様の思いとは別に、この戦場に存在するすべての者が、後の歴史の残るであろうこの一戦を前にして、自らが歴史の立会人になることを確信していた。
事実、この一戦――
《月同盟軍》の最年少大将と、《統合軍・神聖大英帝国》第三王女との人型有人戦術兵器《パンツァー・ヘッド》による一騎打ちは――後の歴史家たちに、その後の歴史の“大きな転換点”と捉えられている。
そして、この一戦結果を以て、歴史は大きく動きだし――
――宇宙の覇権を巡る争いは大きく動くことなる。