解放の鍵……覚醒!
━━2050年4月21日━━
ドンッ!ドンッ!……
朝だ。朝が来てしまった。俺、長谷 竜斗の朝は、いつも 花蓮がドアを叩き、お兄ちゃーん!と、呼んだところから、始まる。しかし、いつも寝ている場所や外の風景が全く今までとは異なっていた。それは、この俺が、"ファイアーグレム"という、コミュニティに入ったからだ。
コミュニティとは『人間の集まり』の事である。
同じ目的の下に形成される集まりをコミュニティと称する。単にコミュと省略されることが多いようである。
語源はラテン語の「commūnitāt」という単語であり、これは「お互いに奉仕する事」などの意味を持つ!
らしい!
まあ、だからこのコミュニティの宿に泊まらせてもらっている ということになる。
このコミュニティは、本当に弱い!何故なら、まず、レベル。おれのレベルが、37だ。この前、情報屋が、言ってたが、この二階層のクリア推定レベルは、40だそうだ。そして、一階層の推定レベルは、20だった。しかし、このコミュニティの平均のレベルは15なのだ。20人そこらの、小規模コミュニティだ。弱すぎる。というか、よくそのレベルでこの二階層へ、行こう!という気持ちになったものだな。
『さて、レベル上げ行くか!』
モンスターを倒すコツは掴んでいた。説明しろ!と言われれば出来ないのだが、直感で相手の動きを読むことが最近では可能になってきていた。
『ん!!』
現れた。モンスターだ。防御タイプで氷属性、ゴーレムの属性だけが違うモンスターだ。
『今回は、"アイスゴーレム"か余裕余裕』
毎日こういう奴らと殺りあっていたら、リアルに帰った時はどうなるんだろうな?
そんなことを考えていたら、"アイスゴーレム"が、こっちに向かって来た!それに!スピードが!!
『ぅおあ!?』
いつもと違う!?奴ら、"ゴーレム類"の動きじゃない!イレギュラーだ!
『くっ!!!』
雷門の攻撃が、通じない!?そんな!"ゴーレム"は、防御型だが、この超パワー型の攻撃は、この前まで"ゴーレム類"を一撃で殺っていたのに…………
『っおぉーーーーーーい!』
二人とも、こちらを見らずにいった
『な、なんだー!』
『な、にー』
『一時退却だーーっ!こっちへ来ーい!こっちは安全エリアだっ!はやく!』
⚠︎ 安全エリア……そこの範囲内には、絶対に敵モンスターが入ってこれない領域のことだ。
『わかったわ!』
『わかった!今、いくぞ!!』
二人とも、相手を怯ませて、こっちへ ダッシュて来た。
花蓮は安全エリアに滑りこんだ。
『あっぶなかった!』
よしっ!あとは……
『あ!やっば!安全エリアの入り口に敵モンスターがいるぞ!このままじゃ、雷門が 中に入れねぇぞ!』
やばいな!ここはやはり
『俺が行く!!』
『気を付けてね!』
頷く
『おう!』
俺は"アイスゴーレム"の目の前まで行き、"アイスゴーレム"が攻撃するタイミングで、後ろに回り込んで、背中を切り裂く!その方法で行った!ちゃんといった。
『よし!このまま背中を斬れば!』
そして、かたなを振り下ろしたその瞬間まわりに"アイスゴーレム"が沢山でてきた。
『なんだなんだ!?やばいぞ!なんだこれ!?』
上から"アイスゴーレム"が来た!
『あっ!しまっ……ぅぉあっ!!』
横から誰かに押された。俺のHP【ヒットポイント】が、減っていない!と、いうことは!
『雷門ーーー!!』
雷門が!俺の身代わりに!いつもの攻撃じゃ一撃では、HP【ヒットポイント】が0になることは、まずないが いままでで、このイレギュラー性だから恐らく……
ドグッ!!
何か変な音が聞こえたぞ!
『ゔ……ぐ…………』
な、なんだ!?も、もしかして!?
ポタポタと、雷門の血 らしきものが落ちてきていたゲームとはいえ、当然痛覚は完全に働いている。
『雷門!!!』
雷門のHP【ヒットポイント】は、最大3000あったのが、もうすでに350程度になっていた。"アイスゴーレム"だ!
その後ろからまた、"アイスゴーレム"の腕が振り下ろされていた!
『雷門!!!!』
その瞬間!【バッーーーーーン】と"アイスゴーレム"が弾けた。"アイスゴーレム"は、体力、攻撃タイプなので、誰かの攻撃一撃か二撃与えたくらいでこうも、HP【ヒットポイント】が0になるわけがない!ダンジョンの攻略隊か!?それともコミュニティの支援か!?
しかし、その考えはどちらも間違いだった……
振り向いた瞬間、俺は目を疑った。そこに悠々と、立っていたのは、雷門だった。
『おまえ!雷門!』
しかし、雷門は雷門でも、いつもとは、雰囲気も格好も、全く異なっていた。
今の雷門の姿は、全身に火を纏い、身体の表面が微かに、発光していた。これで、ようやく、おれは雷門が何故生きているのか、そして、体力・攻撃タイプの"アイスゴーレム"を一撃で殺ったのか、その理由がわかった。つまり、雷門は 能力を発動することが出来たのだ。