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若干の手違いがあったものの……  作者: 白い黒猫


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2/2

その効果はいったい?

 本当の事を言うと小学生の私が行ったラブテロ行為は、相方の隣の家を狙っての事だった。その家にいる高校生のお兄さんがスゴく格好良かった。同級生の男子に比べ(当たり前だけど)大人だったし、優しかった。

 塀で囲まれたその標的の家庭に、赤くハートを塗った種を投げ入れるという事はしていたものの、無事育っているかの確認が出来ず私は不安を募らせた。しかもそこで根をつけたとしても、種を回収することが出来ない。

 そこで目をつけたのは、幼馴染みの家の存在である。彼の実家に蒔きそこから伸びた蔓を隣に侵入させるという方法を思い付く。根本的な所で間違えている事に気が付かす、私は『恋のお呪い』を実行に移した。

 相方の家は犬を飼ってきたので、そのシロに会いに来たという口実で庭に行き、赤いハートの種を隣の家との壁の所にコッソリ蒔く。そして相方の家に通い風船葛のお世話を隠れてしながら、シロと遊び、おやつを食べて帰るという日が続く。ある程度蔓が延びてきたら、コンクリーの壁に空いた風取り穴から伸びてきた蔓の一部を隣へと侵入させ、最初の目的は達成された。

 その辺りから流石に風船葛の存在は相方のお母さん、隣のお母さんも気付かれてしまう。

『不思議ね、何故突然生えてきたのかしら?』

『小鳥が運んできたのでは? 素敵な贈りものね』

 塀越しにそんな会話をする二人に、私は内心のハラハラを隠し、無邪気を装い話しかける。

『これなあに? え、風船葛? 風船みたいな花が咲くの? 面白そう! 風船見たい!』

 女は生まれながらの女優。子供だってそれくらい演技をやってのけれるのだ。ここで風船葛を抜かれたら元も子もないから私も必死である。

 二軒の家同士も仲良く、共にお花好きだったので、風船葛は引っこ抜かれる事もなく、隣に伸びた蔓も回収されることなく、そのまま双方の家で世話され可愛がられるのを見て私は内心ホッとした。そして風船葛はどんどん蔓を伸ばし花を咲かせ、私の想いを籠めた実はどんどん膨らんでいき、ハートの種が大量生産される。

『マイちゃんの大好きな風船葛の種が沢山できたの。はいどうぞ!

 来年の五月にマイちゃんのお家に撒いてみて! そしたらまた風船イッパイできるわよ』

 さっきメグちゃんにあげた種は、相方のお母さんからこうしてプレゼントされたモノである。私が蒔いた赤いハートの種は大量のハートの種となって、合法的に私の手元に戻ってきた。

 そうして私の『恋のお呪い』は無事完成する。

 種の入った瓶は私の何よりの宝物になった。そして毎日をこの瓶を見つめヘラヘラするという怪しい習慣が私の生活に加わった。しかし当の愛しい相手との距離感は縮まる事もなく、そのお兄さんは県外の大学に進学が決まり、家を出てしまった。まったく会えなくなってしまう。会えない事で、幼い恋心は薄れていく。そして風船葛は季節を重ね、繰返し成長して花を咲かせ実をつけ続けた。

 幼馴染との腐れ縁はそのまま続き、気が付くと幼馴染みから恋人という名前の関係に変化していった。


 あの『お呪い』の効果は今の私には判断し難いものがある。

 『お呪い』のお結果が今の私達なのか、それとも元々そうなる運命だったのか? 

「喉渇かない?」

 そう声をかけてくる相方の声に我に返る。私はフフっと笑い元気に頷く。実際ずっと段ボール内の思い出の事業仕分け作業で疲れてきていた所でもある。

「じゃあ、我が家特性の梅ジュースでも飲みますか!」

 母が毎年作ってくれる自家製の梅ジュース。コレがなかなか美味しいのだ。

「おっいいね! アレ俺大好き!」

 相方にとっても、それはずっと飲み続けてきたいる馴染みの味。相方とのなんかこういうアウンの呼吸が気持ち良く楽しい。

「ねえ、明日、庭のあの風船葛見たいな」

 イソイソと嬉しげに先に台所へと歩いていた相方は、振り向きニッカリと笑い頷いた。明日は相方の家に泊まる予定となっている。

「おやじやおふくろに、お呪いの話言ったらなんて言うかな?」

「それは止めて、流石に恥ずかしいから!」

 フフフと相方は笑う。

「おっ認めたな!」

 私は恍けるように視線を逸らしたが、チラっと視線を戻しニコっと笑いかえす。

 結果よければ全てよし! あの時、私は赤いハートの種を彼の庭に撒いた! それこそが私にとっての真実。それで良いのかもしれない。


風船葛は種にハートマークがついている事と花言葉が『永遠にあなたとともに・あなたと飛び立ちたい・あなたに想いを伝えたい』といったモノがあった為に、子供時代に友人と思いついた『お呪い』がコレでした。

コチラの物語は、私の過去にあったその似たよう~な事をネタに書いていますがフィクションです。こういう楽しい結果になっていたらよかったのですが……。

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