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宝石使いと二人の少年  作者: ピーターコーン
宝石使い
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祭りの前夜

クィエースの10日前 太陽の日  (12月23日日曜日)


晴れ




村の人々は朝からせわしなく働いていた。


その日はいつもとかわらない休日でありながら、まったく特別な朝だった。


朝の庭掃除ひとつにしても何か特別な儀式を行っているような不思議な感覚。


祭りの前の日の朝は、誰だって特別で不思議な気持ちでいっぱいだ。


明日の準備のためにそわそわと動き回る村人を、ルキウスは面白そうに眺めていた。


うろうろと村を歩き回り、村人の作業をひやかしながら朝食になりそうなものを物色する。


本当はパンを買おうかと思っていたのだが、自分が顔を見せる事で


これ以上パン屋の主人を刺激することになるのも面倒だと思った。


結局、様々な果物を山のように並べたテントで大きな赤いりんごを買った。


売り子の少女ににこりと微笑むと、


少女は顔をりんごのように真っ赤にして隠れてしまった。


魔法使いブリテリセウスの弟子。


村人はみな遠巻きに、畏怖と警戒心をもってルキウスを迎えた。


そんな村人のよそよそしい態度を物ともせず、


ルキウスはこの数週間にもなる田舎暮らしを楽しんでいた。


村を十分に見て回った後は、海や山にも入って動植物を観察した。


宝石使いルキウス。


得意とするのは様々な宝石含まれた大地の力を借りて行う魔法や占い。


いつも腰につけているベルトに付けられたたくさんの鞄には、


様々な石と薬草、香などが入っている。


数日前、旅に出るのがこわいといったカイトに手渡したのは、


やさしいオレンジ色のオレンジアベンチュリン。


精神安定と柔軟な思考を司るこの石は、


彼が勇気を出す為の第一歩を促すだろう。


もちろん、それは同時にソラにも効果を発揮する。




そろそろだ。




この村に来たときから借りている、宿屋の2階の部屋に帰ってきたルキウスは、


着々と祭りの準備が進む村を見下ろしながらりんごをかじった。


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