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彫金職人の孫カイトの日記1
デケンベルのカレエンダの9日前 ウェヌスの日 (11月23日金曜日)
曇りのち晴れ
昨日は僕の誕生日だったらしい。
おじいさんに日記を書きなさいと言われた。
机の上に新しいインクペンとインクビンがあった。
皮の表紙のノートには別の誰かの日記が書いてあったので、
おじいさんから新しいノートをもらった。
インクペンはおじいさんが作ったものだった。
ぼくも早くおじいさんのようなすごい彫金職人になりたい。
おばあさんが僕の大好きな枝豆のスープを作ってくれた。
お父さんがたくさんのパンをもって工房に来てくれたけど
おじいさんはあまりいい顔をしなかった。
お父さんのパンはおいしいけど、本当はお母さんのパンだから
食べるとちょとさみしい。
今日はカトレア模様の彫刻の練習をした。