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貞永元年九月 

 貞永元年九月 某日 晴れ


 今日は善君の家で、お母さんの梅菊さんからご飯の作り方を教わりました。


 僕と善君、お母さんの三人で一緒に料理を作りました。


 遊びに来ていた是又新右衛門さんは手伝いもせず、ニコニコと見守っていました。


 僕はご飯をうまく炊けませんでしたが、今日お母さんに習ったので、次はうまく炊けるようになると思います。


 そんな僕を見て、お母さんは袖を濡らしていました。


 梅菊さんは、イワシと大根、里芋でつみれ汁を作り、バイガイの酒蒸しも作ってくれました。


 僕もイワシを切るのを手伝いました。


 新右衛門さんは、僕の包丁さばきを褒めてくれました。


 夕ご飯は、善君の家族と新右衛門さん、そして僕の全員で楽しくいただきました。


 重忠さんと新右衛門さんはお酒を飲み、みんな本当に楽しそうでした。


 僕もとても楽しかったです。




 米をうまく炊くことができず悩んでいた俺は、善に相談することにした。


 すると彼は、梅菊さんと一緒に炊飯をする機会を設けてくれた。


 梅菊さんと一緒に夕飯を作りながら、炊飯の方法を教えてもらった。


 要するに、俺の勘違いがあった。


 この時代において、玄米の場合は「炊く」ではなく「蒸す」が正しい方法だったのだ。


 さらに、米の研ぎ方も白米と玄米では異なることを知った。


 「ありがとうございます。俺、白米しか食べたことがないので、助かります」と感謝を伝えると、梅菊さんは、どうやら俺を都落ちの貴族か何かと誤解しているらしく、哀れんだ目で涙ぐんでいた。


 その様子を見ていた重忠さんが、水車小屋で玄米を精米して白米にしてくれると教えてくれた。


 その話を聞いて大喜びする俺を見て、また涙ぐむ梅菊さんだった。


 その後、イワシのつみれ汁を作ることになった。


 俺は新右衛門さんから貰った刃渡り二十センチほどの小刀を使い、イワシを三枚におろす手伝いをした。


俺の包丁さばきを見た新右衛門さんが、「何かの剣術を修めたことがあるのか」と尋ねてきた。


 ---アルバイトで働いていた寿司屋の親方から、かなり厳しく包丁の使い方を仕込まれたからな---


 俺は思わず寿司屋の名前を出してしまい、「天狗の親方に教えてもらった」と答えてしまった。


 すると彼は、「さもありなん、源義経様も天狗から剣を習ったと聞いている」と感心した様子で腕を組み、深く頷いていた。


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