第96話 学校が始まる前の死闘
「はは…外がもう明るいや…」
始業式前日。
夏休みの宿題が終わっていないことに気がついた悟と香織は徹夜で終わらせることを決心して今にいたる。
いつもの2人だったら夏休みの宿題くらい外が明るくなる前に終わっていただろう。
しかし、現に外が明るくなったのにも関わらず宿題が終わっていない。
なぜか?
「宿題をやっている途中にキスしたりとかしてたからです…」
…と少年は語る。
いや、俺だって頑張ろうと思ったよ?
思ったんだけど…
2人の愛を確かめたくなったっていうか…
そ…それに夏休みの宿題答えがついてないから終わらないんだもん!!
え?夏休み中にやってたじゃないかって?
やってたさ!!
やってたけど終わらなかったんだよ!!
「悟君…終わったよ…」
「俺も…ちょうど終わったところだ…」
そしてやっと宿題が終わる。
「今からじゃもう寝れないな…」
「うん…あの…悟君…」
「ん?」
「ごほうびに…キス…してくれないかな…?」
香織の顔が赤い…
「でも宿題やってる時にも結構したよな?」
「でも…して…?」
もうこう言われたら俺は断れるわけもなく…
「んっ…」
俺たちはキスをする。
「さてと…朝食の準備しなきゃな。香織は姉ちゃんを起してきてくれるか?」
「うん!」
なんかもう新婚さんだ…
俺は朝食を作り始める。
そして朝食を食べて学校へ行く。
理沙はもう家を出たらしく俺と香織は二人で手をつなぎながら二人で登校した。
まだ俺たちは手をつなぎながら登校する勇気もなく、人が出てくると俺たちは手を離した。
「あれ?なんか男達があつまってない?」
「うん」
なぜか校庭で男達が群がっていた。
そしてその中心には二人の男女…
ってかよく知っている人物がいた。
「なんで上田さんが付き合ってしまったんだ!!」
「俺狙ってたのに!!」
などと言っている。
理沙が付き合った?
誰と?
理沙が手をつないでいる人がいるな…
ええっと…
哲也か。
哲也?
哲也だって!?
香織も驚いている。
「理沙が哲也と付き合うなんてな」
「うん。びっくりしちゃった」
俺たちは群がりの中心に行こうとする。
「私は哲也君が好きなの!!近寄ってこないでよ!!」
わお!熱いですな~
哲也にいたっては顔を真っ赤にしてるし。
「哲也君行こっ!!」
理沙が哲也の手を引いて走り出す。
「いや~。俺たちが出る幕もなかったな」
「うん」
「俺たちも教室に行くか」
「うん!」
俺たちは教室に向かって歩き出した。
その教室にすごくテンションが高い人がいるなんて知らずに…