第94話 夏祭りでの告白大作戦 ~終~
夏祭りが終わった。
遥さんたちと合流できたのは祭りが終わってから10分後くらいだった。
なんか…
香織と付き合ったって言いにくいな…
「おや?悟君なんか竹中となかいいんじゃないか?」
遥さんがにやにやしながら言ってくる。
まさか…
ばれてる…?
「当たり前だよ姉ちゃん」
哲也が言う。
まさか…
哲也もわかってるのか…?
「だって悟と香織は人の目なんか気にせず…
「わー!!!!!」
理沙がなにか言おうとしたので俺は大声をだして遮る。
理沙にまでばれてたのか…
しかもキスまで見られただと…
「みんなどうしたの?」
奈美さんだけがわからない顔をしている。
「奈美、世の中には知らぬが仏という言葉が存在するんだ」
「よくわからないんだけど…」
「知らないほうがいいって意味なんだが」
「そのくらい知ってるよ!」
「まあ、あれだ、竹中おめでとう」
「はい!」
香織が笑顔でこたえる。
「上田は…どんまい!」
「もっといい人を見つけました」
「ほう?それは今度じっくりと聞かせてもらおう」
なぜか哲也が顔を赤くしている。
「奈美は…受験がんばろうな!それに私が失敗したのにお前が成功するのはなんか気に食わん」
「?」
「じゃあ解散!」
俺たちは解散する。
「あっ!悟たち先に帰ってていいわよ」
「ん?1人じゃ危ないだろ。待ってるよ」
「哲也君が話があるらしいから。それに送ってくれるって言ってたし」
「そっか」
そういって理沙はどこかに消えた。
「気をつかってくれたのかもな」
「うん」
俺たちは歩き出す。
「ひゃっ…」
香織が声をだす。
声をだした理由は俺が手をつないだからだ。
「だ…だめか?」
俺は聞いてみる。
「ううん」
香織は首をよこにふってくれた。
俺たちは手をつないで歩き出す。
「あっ…」
歩き出してもうすぐ家に着くってころに俺は重要なことを思い出す。
「姉ちゃんになにも買ってない…」
俺は近くにあったコンビニでプリンやアイスを買って帰ってみた。
「さとくんありがとう!」
姉ちゃんの声はいつの間にか戻っておりプリンなどをすぐに食べていた。
結局買ってくるものなんでもよかったんじゃねえか…
まあそんなことは別にいい。
それよりも…
これから俺と香織の新しい生活が始まるんだ。
今の俺と香織ならなにがあっても乗り越えられる。そんな気がした。