第90話 夏祭りでの告白大作戦 ~告白~
明日、更新できるか怪しいので一応更新しておきます。
「悟、あれ食べたい!」
理沙に手を引かれる。
「自分で買えよ…」
「お金があったらそうしてるわよ!!」
持ってきてないのか…
「いいよ、俺がおごるよ」
「ほんと!?」
「うん」
どうやら哲也が理沙の面倒をみてくれるっぽいな。
「香織はなにか食べたいものとかないか?」
「私はまだ大丈夫だよ」
「そっか」
それにしても…
混んでる。
こんなに人がごちゃごちゃしてると正直うざい…
なんで人間ってこんなにいるんだろうな~とか思ったりもする…
「悟君」
「ん?どうした香織?」
香織が俺の裾を引っ張る。
「みんないないんだけど…」
「え?」
俺はあたりを見回す。
「本当だ…こっちの人数は2人…それだとこっちが迷子ってことか…」
俺の迷子の基準は少なかったほうが迷子という考え方だ。
つまりあっちは普通に考えて4人…
こっちは2人…
なのでこっちが迷子って考え方だ。
説明ヘタでごめん…
「こんな人数じゃ探しても見つからないし…携帯は家に忘れてきたし…」
「どうしよっか?」
「よし!あきらめて2人で楽しもう」
そう言った瞬間香織の顔が明るくなる。
うん、かわいい。
あれ?これって告白できるんじゃねえの?
こんなところで告白ってのもだめだ。
なにか食べると言い、どこか休める場所に行く。
そして告白だ。
俺天才!
「か…香織!なにか食べないか?俺、腹減っちまった」
「そうだね!何食べようか?」
第一の作戦成功。
告白のセリフは考えてある。
合宿での告白が怖いという経験を最大限に生かしたセリフだ。
「じゃあ俺なにか買ってくるからあそこの空いてるスペースにいてくれ」
「わかった」
俺は焼きそばの屋台が一番最初に目が入ったのでそこに行く。
「すいません。焼きそばふたつ」
「はいよ!!」
いや~元気だね。うん。
「二つで800円!」
はぁ…最近の焼きそばって高いんだな…
俺は財布から800円を取り出してわたす。
そして焼きそばを持って香織が待っているであろう場所へとむかう。
「ん?あれは?」
なんか3人の男がいる。
その中心には俺が告白しようと思っている人…
「なあいいだろ?」
男の1人が香織にさわろうとする。
「ふざけんな!!」
俺はその男を殴る。
「お前らタイミング悪いんだよ!!ふざけんなよ!!こっちは緊張してんだよ!!」
つい本音がでてしまう…
「ほら!!どっかいけ!!」
男達が逃げていく。
「大丈夫か?」
「怖かったよぉ…」
「あー。ごめんな。1人にさせちゃって」
「ううん」
「ほら焼きそば食おうぜ」
俺たちは焼きそばを食べる。
ん?なんか忘れてるような…
そうだ!!告白!!
「香織!!」
「はい!?」
いきなり呼んだから香織は驚いてるようだった。
「お…俺は本気だから笑わないで聞いてほしいんだ」
「う…うん」
「じ…実はな…」
もう考えてあったセリフなんて頭から消えていた。
だから俺は飾りをつけた言葉よりも自分の気持ちを正直に言おうと思った。
「俺は…」
言うんだ!!
「俺は香織のことが好きだったんだ!!」
「えっ…?」
これが俺が香織に本当の気持ちを伝えた瞬間だった。