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第9話 家に帰りたくないってときみんなにもあるよね?
「どうだ?佐藤との同棲は?」
俺は家を出た後村田グループのゲームセンターに来ていた。
「どうもこうも…気まずいの域を簡単に越してるよ…」
「でも好きな人と同棲だぞ~?この幸せ者っ!!」
「俺の計画としてはまずは友達からなのに何だよいきなり同棲って…」
「まあたしかに辛いよな」
「話も続かないし…メールでは友達になれそうな雰囲気だったのに…兄妹かよ!!」
「同棲はお前にとって凶だったか」
「いや、正直なところうれしい…ピンク色の妄想が浮かぶ…洗濯すれば…とか!!しかし!!普通に話せるようになりたい!!」
「ピンク色の妄想ねぇ…話せるようにはすぐになるだろ?いっしょに生活してて話さないなんて普通無理だぞ?」
「そうかなぁ…」
「なんとかなるだろ」
哲也がクレーンゲームで取ったぬいぐるみを投げてくる。
「哲也がそう言うなら信じるけど」
「そのぬいぐるみでもあげて好感度あげてこいよ」
「そうだな…ありがとう哲也!!」
「おう!」
いつの間にか辺りはもう夕日色だった。
「じゃあな!!」
「がんばれよ~」
そして俺は帰路についた。