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第88話 突然の訪問者

それは突然起こった。


夏休みの宿題を香織と頑張ってる時だった。


ピンポーン


インターホンが鳴る。


「あっ、俺が出るよ」


香織が立ち上がろうとしたので俺は香織を止める。


「どちら様ですか?」


俺は扉を開けながら言う。


そこには一人の女の人が立っていた。


その人はよく知っている人だった。


「久しぶりね。悟」


「澤藤…美優…?」


「あら、母親に向かって呼び捨てなんてどんな教育を受けてきたのかしら」


そう、そこにいた女性は俺の元母親だった。


「今さらなんだよ」


「ん?用も何も。それよりもこんな玄関で話させるの?」


「あんたはもう出て行ったんだろ」


「そうとう恨まれてるみたいね」


「あたりまえだろ」


「さとくんどうしたの…ってお母さん!?」


姉ちゃんが2階からおりてきた。


「あら、美里じゃない。どうしてあなたここにいるの?」


「職場が近いから」


「あら、そう」


「で?もう一度聞くがあんたはなにをしに来たんだよ」


「まあ一言で言うと…悟、あなたまた母さんと暮らさない?」


「は!?」


「だから一緒に暮らさないかって聞いてるの」


「ふ…ふざけんなよ!?」


「悟君どちら様?」


香織が出てくる。


「あら?悟、この子は?」


「えっと…その…」


香織も困っている。


「いきなりこの子は?じゃねえだろ。香織だってお前が誰かわからねえんだよ」


「あらあら。それは失敬。私は澤藤美優。悟の本当の母親よ」


「えっ…」


「さて、今度はあなたの番。あなたは誰?」


「ええと…」


香織が言いにくそうにしてる。


しょうがない…


「香織は俺の義妹いもうとだ。父さんはもう再婚したんだよ」


「へえあの人が」


それほどショックも受けてないみたいだ。


「で?悟とはもうヤったの?」


「「は?」」


「そりゃ一つ屋根の下で女の子と一緒ならヤるでしょ普通」


「お母さんさすがにそれはありえないよ…」


「あら?今の子供ってそうだと思ってたんだけどな~」


香織は顔を真っ赤にしている。


「で?悟、話は戻るけど一緒に暮らすの?暮らさないの?」


「悟君?一緒に暮らすって?」


香織が顔を覗き込んでくる。


「悪い。こっちの話だ」


俺は香織に悪いと思いながらもそう言う。


正直一緒に暮らすか?と言われたとき心が揺れてしまった。


あんなに憎いと思ったこの女も会ってみるとそこまででもなかった。


…でも、今の俺には香織がいる。


「暮らさない。俺には俺の生活がある」


「そう…残念ね」


「さっさと帰れよ」


俺は冷たく言い放つ。


「あっ…最後に…悟。ごめんね」


「っ…!!」


そう最後に言って澤藤美優は帰っていった。


「なんだよ…なんであいつは最後に謝るんだよ…」


俺はそうつぶやく。


「さとくん、きっとお母さんは自分の罪に気づいたんじゃないかな?だからさとくんも少しはあの人のこと許してあげてもいいんじゃないかな?」


「姉ちゃん…そうだね」


俺は母さんを少し許すことにした。


なんか香織が空気だな…

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