第74話 夏休みの最初の方ってテンションあがるよね
「あぁ…夏休みってなんてすばらしいんだろう」
俺は夏休み初日から朝寝坊をしてみた。
まあ朝寝坊って言っても7時に起きてるんだけどね…
俺は朝食を作る。
香織とは朝食は当番制でまわすことにした。
姉ちゃんには掃除とごみ捨てをやってもらうことにした。
「さてと…つくったのはいいけど食べる人がいないな…」
まだ香織と姉ちゃんは起きてきそうになかった。
「暇だ…」
ほら?みんなもあるよね?なんか長期休暇って最初の方は楽しみだけど後から暇になってくること。
俺はそれが早いだけなんだよ。
まあ今年の夏休みは例年に比べて充実してるけど。
あれ?なんか最近の俺って充実しすぎじゃね?
なんか不幸なこととか起きそうだな~
「悟君おはよ~」
香織が寝ぼけた声で言ってくる。
「おはよう…ってどうした!?」
俺は香織の姿に驚いていた。
なんかパジャマは着崩れてるし、髪も寝癖すごいし、そして寝ぼけた目をこすっている姿はかわいかった。
ん?この反応やっぱり俺って香織のこと好きなのか?
そりゃ好きは好きだけど…
付き合うとかの好きじゃなくてなんか家族としての好きなんだよな…
うん。きっとこのかわいいと思ったのは男の子として普通の反応だったんだろうな。
「今日から夏休みだね!」
香織が顔を洗って寝癖も直して戻ってきた。
しかしパジャマは着崩れたまま…
「か…香織…そのパジャマ…」
「ん?」
香織はパジャマを見る。
ボンッ!
香織の顔が真っ赤になる。
うん。かぁいいな。
竜宮●ナさんならお持ち帰りしてただろう…
あれ?竜宮レ●さんわかるよね?
ひぐらしの●く頃にですよ。
俺の中学生のオタクライフなめちゃいけないよ…
まあそんなことはおいといて…
「さとくんおはよ~」
「おはよう姉ちゃん」
姉ちゃんもパジャマが着崩れていたがまあ気にしない。
だって姉弟だもん。
ん?それなら香織も大丈夫じゃないか?
だめだな…
俺の理性が吹っ飛んで俺の息子が暴れちまう…
なんか俺変だな…
夏休みでテンション上がりまくってるからか?
「悟君!」
「おう!」
いきなり呼ばれたので俺は驚いたような声で返事をしてしまう。
「お買い物に行こう!」
「へ?」
「お買い物!!」
「食材の買い物なら昨日済ませ…
「洋服とかだよ!!」
そうか…女の子はファッションに気つかってるからな。
俺はそうゆうのまったく気にしてないから…
「姉ちゃんと行ってくればいいんじゃ…」
あれ?香織がなんか泣きそうだ…
「香織一緒に行こうか」
「ほんと!?」
「ああ本当だとも」
「ありがとう!」
俺たちは朝食を済ませて家を出る。
姉ちゃんは…
置いてきたよ。
「どこ行くんだ?」
「ん?東京」
「遠い…」
「電車ですぐでしょ?」
俺たちの住んでるところは東京よりの千葉。
「そもそも作者だって東京がどんなところかしらないし…」
「ん?」
「秋葉原しか行ったことないらしいし…いや…中学の校外学習で行ってたか…」
「どうしたの?」
「いや…なんでもない」
なんか最近香織の能力が俺にうつったみたいだ…
「ここが東京か…」
「悟君来るの初めて?」
「多分…」
「そっか!じゃあ楽しもうよ!」
「そうだな」
香織が手を引いて俺は引っ張られる。
香織は手をつないだことをすこし後悔していた。
(手汗とか大丈夫かな!?顔赤くなってないかな!?)
などと…
(でももう後戻りできないよね!?デートに誘ったのは私なんだし悟君を楽しませなきゃ!!)
普通楽しませるのは男なんじゃないだろうか…
「悟君!なにか買いたいものとかある?」
「う~ん…俺ファッションとかあまり気にしないしな…あっ!この近くにクリスピークリームドーナツってやつ売ってる?」
「うん!行こっか!」
「おう!」
それから俺たちは東京で遊んだ。
正直女性物しか置いてない店に入るのは辛かったが香織が楽しんでくれたからいいとしよう。
「悟君ちょっとかがみこんで」
もう帰るというところで香織がそう言ってきた。
「ん?」
俺は言われたとおりかがみこむ。
「はい!」
香織が俺にネックレスをつけてくれた。
「おそろい!」
俺につけたネックレスと同じものを香織はつけていて手で持って掲げていた。
「水にぬれても大丈夫だからいつでもつけてられるよ」
「ありがとな」
「どういたしまして!」
でもいつこんなもの買ってたんだ?
まあいっか。
これは大切な思い出だな。
俺は夏休み初日からいいことがあった。