第71話 電波な女の子は電波じゃなくて…!?
「じゃあ悟君夕飯頼むぞ」
俺は無理やり遥さんに夕飯を任されていた。
そして頼んだ本人はテレビを見て笑っている。
なんかイラッとするな…
そういえば今日の夕飯はカレーだったよな。
「遥さんって辛いの苦手でしたよね?」
「ああ…」
「へ~部長も女の子らしいところあるんですね」
「なんか言ったか?上田」
「いえ」
「遥さんよく夕飯カレーにしようと思いましたね」
「ん?なんか泊まりっていったらカレーだろ」
「そしてよくそんな態度で俺にカレーを作らせようとしましたね」
「?」
「まあいいです。たのしみにしててください」
俺はまず普通にカレーを作る。
そして遥さんのところには…
おおっと。これ以上は恐ろしくて言えないぜ。
「「「いただきます」」」
みんながいっせいにカレーを口に運ぶ。
「さとくん今日もおいひーね」
これが姉ちゃん。
「手伝いしなくてごめんね?」
これが香織。
「久しぶりに悟の料理食べたわ」
これが理沙。
「悟の料理は最高だな!」
これが哲也。
「うん!おいしいよ!悟君!」
これが奈美さん!
「見た目はアレだがうまいぞ!」
これがサラ。
「ゴクゴクゴク」
これが遥さん。
まあ遥さんは水をがぶ飲みしてたんだけど。
「姉ちゃんどうしたの?」
哲也が遥さんにたずねる。
「いや…お前達よくこんなに辛いもの食べられるな…」
「え?普通だけど」
「部長子供ですね~」
「サラちゃんでも食べれてるよ?」
「遥ちゃんかわいー!」
みんな遥さんの反応は正しいんだよ。
俺たちは夕食を食べ終えてのんびりとしていた。
遥さんはまあ舌が真っ赤だったけど…
「悟君…星でも見にいかない?」
香織が俺を誘う。
「べつにいいよ」
俺は暇だったので香織と星を見にいくことにした。
部室があるのとは違うところの屋上で俺と香織は星を見ていた。
え?季節がおかしいって?
いいんだよ星が見れれば。
「なんかせっかくのお泊りなのに私たちはあまり変わらないね」
「まあいつも一緒の家だしな」
「私は悟君との仲をもっと深めようと思ったのにな」
「ん?十分仲いいと思ってたけど」
「バカ…」
う~ん…女の子の気持ちはわからん…
俺は香織が好き『だった』。
でも…なんか同棲してからそんな気持ちがなくなったっていうか…
いつでも一緒にいられるからいいと思ったんだよな…
そりゃ香織がいつかは結婚していなくなることはわかってる。
わかってるけど今がいいならそれでいいかななんて思ってる。
仮に俺と香織が付き合ったとする。
でも付き合ったって今まで通り一緒に夕飯の買い物したりするんじゃないだろうか?
今の生活と変わらない気がするんだよ。
「悟君?」
「ん?ああごめん。ちょっと考え事してた」
「そっか」
俺はちょっと校庭に目をおとしてみる。
「あれ?サラ?」
「えっ…?」
俺が指さした先にはサラがいた。
「なにやってるんだろ?」
「ちょっと行ってみるか」
俺たちは校庭に走っていってみる。
「サラ!」
「サラちゃん!」
俺たちが呼ぶとサラは振り返った。
「なんだ来ちゃったのか…」
「「?」」
俺と香織は顔を見合わせる。
「まあ来てしまったものはしょうがない。ほら、二人ともあと3歩下がって」
俺たちは言われた通り下がる。
「なにするんだ?」
「まあ見てればわかる」
サラがいきなり手を上にあげる。
するといきなり空が光りだした。
「「!?」」
俺と香織は驚いて声もでなかった。
「バイバイ。カレーおいしかったぞ」
それだけ言うとサラは光を放って俺たちが次に目を開いた時には消えていた。
そして俺たちが3歩下がる前にいたところにはクレーターができていた。
そんなこんなでいろいろあったお泊り会は終わった。
サラがどうなったかを知っているのは俺と香織だけだった。
あ…それと、これは後から知ったことなんだけど『サラ』という名前はきっと部室にあった漫画の題名だったんだと思う。
その本の題名は『サラは宇宙人!?』だった。
サラ…君は本当に宇宙人だったのかな…?




