第69話 結局UFOってどうやって呼ぶの?
「香織やっぱり俺行きたくないんだけど…」
「だめだよ悟君」
「さとくん駄々こねるなんてまだまだ子供だね~」
姉ちゃんには言われたくないよ…
俺は引きずられるようにして学校に連れて行かれる。
「てゆうかなんでこんな1学期のど真ん中に…」
「悟君前もそんなこと言ってなかった?」
「納得できてない証拠だよ…」
「だからそれは作…
「それは言っちゃいけない」
俺は香織が言おうとしたことを止める。
「ちゃんと来たな?」
「遥さん…」
「よーしそれじゃあオカルト研究部の部室に行くぞ」
俺たちはオカルト研究部の部室に行く。
部室の目の前に来てみるがちょっと嫌なオーラを放っている…
「遥さん…入ってくださいよ…」
「なんか急に帰りたく…」
「俺だってそうですよ」
「帰ろうか?」
「賛成です」
「私も賛成です」
理沙も賛成する。
そして俺たちは帰ろうとするが…
「なにやってるの姉ちゃん」
「さとくんだめだよ?」
「理沙ちゃんどこに行くの?」
やる気のある人たちがそれを許してくれなかった…
「だってこんなところ嫌だ!!」
そんなことを言っても許してもらえず哲也が呪いの部屋の扉を開けてしまう。
「「「うわっ…」」」
その部屋はカーテンで光が入らないようにしてありへんな紋章で儀式やらトランプみたいのでなにかをつぶやきながらなにかをやっていたりと最悪だった…
「悟君わたしちょっと急用が…」
遥さんの口調がかわる。
「遥さん俺も急用ができそうなんですが?」
「さ…悟どうしよう…」
理沙が指さす先にはその部屋を興味津々にみている人が…
「遥さん弟がピンチです!!」
「あれはもうだめ…」
遥さんが早くもあきらめモードに…
「来てくれたんですか!」
今回の依頼者が来る。
オカルト研究部の部長、鈴木さんだ。
「じゃあ早速屋上に行きましょうか」
俺たちは無理やり屋上に連れて行かれる。
「で?UFOってどうやって呼ぶんですか?」
俺はたずねてみる。
「たしかにどうやって呼ぶんでしょうね…」
遥さんも考えてみる。
「まずは手をつないで…」
「哲也!?」
まずい…
哲也がなにかにとりつかれてる…
「みんなで円をつくるんだ…」
オカルト研究部の部長もまずい気がする…
「さあベンドラと唱えよう」
「「「ベンドラ」」」
オカルト研究部の人たちが唱え始める。
「(遥さん!本格的にやばくないですか!?)」
俺は隣にいる遥さんに話しかける。
「(私もそう思ってたところだ…)」
「(もう宗教入ってますって!!)」
「(しかしこの方法でできたとYOU TUBEの動画であったらしいし…)」
「(そんなの嘘っぱちですって!)」
「(悟君私たちもやらなきゃまずい…みんな見ている)」
「(やりたくない!!そんなのにとりつかれたくない!!)」
「ベンドラ…ベンドラ…ベンドラ…」
「(遥さん!!)」
「ベンドラ…ベンドラ…ベンドラ…」
みんな目がうつろになってる…
これってなんかやばい気がするんだけど…
「たしかにまずいですな…」
「吉田さん!!」
後ろから急に出てきたのは村田家の執事の吉田さんだった。
「どうしましょうか?」
俺は吉田さんにたずねてみる。
「ラジコンのUFOを飛ばしてそれを見せればいいんじゃないでしょうか?」
「でも高度低くないですか?」
「村田グループをなめちゃいけませんよ。3分後あたりにはこの辺に飛ばせるようにします。なのでUFOが出たってことを叫んでください」
「わかりました」
そう言って吉田さんはすぐにその場から消えた。
俺は暇なので周りを見てみるが…
本格的にまずい気がする…
これはおふざけでやるのとはちがう雰囲気だ…
ふと上を見てみるとなんかでかい物体が空に上がっていた。
「さすが村田グループ…」
俺はちゃんと上まであがったのを確認する。
そして…
「UFOだ!!」
俺は空を指さしながら叫ぶ。
その瞬間みんないっせいに上をむく。
「本当だ!!」
「写真!写真!」
「うおー!!」
などと盛りあがっている。
まあこれでUFOを呼ばなくてすむし泊まりもないだろう。
俺は安心していると横から肩をつつかれる。
振り向くとそこには遥さんがいた。
「どうしたんですか?」
「悟君助かったよ」
「なんのことです?」
「あれ村田グループのだろう?見ればわかる」
「どんだけ視力いいんですか!?」
「普通じゃ測定できないほど」
「さすがですね…」
「正直危なかった…あの呪文のせいでなんか体が軽くなったような気がして…まるで夢を見ているような…」
「それマジで危ないじゃないですか…」
「悟君本当に来たよ!」
香織が興奮気味に言う。
「そうだな」
俺は優しく微笑んでしまう。
「なんか裏切った気がしますけどね」
「まあUFOがいるかもわからないんだからいいんじゃないのか?」
「ですね」
「あっ!そういえばこれで依頼は達成したわけですから泊まりはなしですよね?」
「なに言ってるんだ悟君。私はこんなの1日で終わることくらいわかっていた」
「じゃあなにするんですか!?」
「生徒会の仕事でも手伝ってもらおうかな…」
「はい?」
「だってこの部活は『全生徒』の味方だぞ?私の味方でもあるだろうが」
「最悪だ…」
「さあ悟君行きましょうか」
「急にそっちの口調にならないでくださいよ…」
まあここまではよかった(?)んだ…
夜にまさかあんなに驚くなんて思ってもみなかった…