第67話 去年の奈美さんは恥ずかしがり屋?
「さとくん帰ろ~」
「ごめん姉ちゃん明日の買出し行かなきゃいけないから香織たちと帰ってて」
今日は金曜日奈美さんと買出しに行く日だった。
「ぶ~わかったよ…」
そうして姉ちゃんはしぶしぶ香織たちのところに行った。
「さてと…待ち合わせの場所に行くか」
待ち合わせは校門だった。
俺は校門に行く。
校門についたがまだ奈美さんはいなかったので俺は奈美さんを待つ。
「遅れてごめんね~」
奈美さんが来る。
「大丈夫ですよ。行きましょうか」
「うん!」
俺たちは駅前のデパートに行くために歩き出す。
「ふっふっふ…」
「姉ちゃん怪しいよ?」
悟たちの後ろには遥と哲也がいた。
「さ…悟君」
「どうしました?」
「悟君覚えてる?」
「?」
そんなことを言われてもなんのことかわからない…
「ほら去年の」
「??」
さらにわからなくなる…
「さっぱり覚えてないって顔だね」
「すいません」
「ほら購買で初めて会ったときのこと」
「あっ!!そのことですか!あの時の奈美さんおもしろかったですよね~」
「そ…そんな!」
「ほら、顔なんか真っ赤で…」
去年、購買で奈美さんと初めて会ったときのことだった。
俺はその日弁当を忘れてパンを買おうとしていた。
「うわっ…購買ってこんなに混んでるのかよ…」
そこはまさに戦場…
なんでみんな弁当を持ってこないのか不思議なくらいだった。
「がんばらなきゃな…」
俺は人ごみに突っ込んでみる。
…がすぐにはじかれてしまった。
「きゃっ!」
横にもはじき出された人がいた。
俺はとっさに手を伸ばして受け止める。
「あ…ありがとうございます」
それが奈美さんだった。
「あら悟君じゃないですか」
遥さんの声が聞こえた。
「遥さん…その口調気持ち悪いですよ?」
「(しょうがないだろ!私はこのキャラを突き通さなきゃいけないんだから!)」
遥さんが小さい声で言ってくる。
「それよりも悟君私の親友になにしてるんだ?」
「ん?」
遥さんが指さした先には俺がさっき受け止めた人…
そしてなぜか顔を赤らめている人…
「奈美初めて男に触ったじゃない」
ボンッ!
そのセリフで奈美さんとかいう人の顔が赤くなる。
「えっと…大丈夫ですか?」
俺は奈美さんにたずねてみる。
「大丈…痛っ!」
奈美さんが足をおさえる。
「あ~腫れちゃってますね。たぶん捻挫かなにかでしょう」
「え…ど…どうしよう…」
「保健室につれていってもらえば?」
遥さんがそんな提案をする。
「遥さんがつれていけばいいじゃないですか。俺は昼飯調達しないといけないんですけど…」
「さてここに購買で1日3つしか売っていない限定の焼きそばパンがあります」
「…」
「あなたがもしも奈美を保健室につれていったらあなたにあげましょう」
「よろこんでつれていきます」
この状態でパンを買うのは無理だろう。
「じゃあつかまってください」
「え…あのっ…!」
俺は奈美さんをおぶる。
「悟君。私はおぶって行けなんていいましたか?」
「?」
「お姫様抱っこでしょ!」
「「え?」」
遥さんがおもしろそうに言う。
「しょうがない…しっかりつかまってくださいね!」
「ちょっ!!」
俺は奈美さんをお姫様抱っこしてつれていく。
周りの視線がいたかったが気にしないことにした。
「そんなことがあって私たち知り合ったんだよね」
「あれから奈美さん恥ずかしがらなくなりましたよね」
「あれよりも恥ずかしいことなんてなかったからね」
「俺もすごく恥ずかしかったんですが…」
「私は悟君が初めての相手だったから」
「奈美さん…そのセリフ普通に聞いたらなんか卑猥です」
「そう?」
「あ…つきましたね」
「意外に早くついたね」
「じゃあ買い物しますか」
「うん」
俺たちはデパートに入っていく。
「なかなかいい雰囲気じゃないか」
「やっぱり怪しいよ姉ちゃん…」