第66話 あれ?この部活ってこんなに辛かったっけ?
「頼む!!」
「引き受けます」
「遥さん!?」
「ありがとう!!」
そうして相談者は嬉しそうに部室を出ていった。
「なんであんなにめんどくさそうな依頼引き受けちゃうんですか!!」
「私たちは全生徒の依頼を引き受ける」
「だからって…」
「さとくん終わったことに口出ししちゃいけないよ?」
姉ちゃんが顔を出して言ってくる。
姉ちゃんは遥さんの口調が変わっても気がつかなかったので遥さんは普通の口調で話している。
正直気がつかない姉ちゃんが心配になる…
でも今はそれどころじゃない。
「だからって…なんであんなやつらと一緒にUFOなんて呼ばなきゃいけないんですか!!」
そう、今回の相談はオカルト研究部からの依頼だった。
その内容が…
『UFOを呼べないのは人数が足りないからなんだ!!だから手伝ってくれ!!』
との内容だった。
「UFOなんているわけないのにね~」
理沙が呆れながら言っている。
「ん?わからないぞ?それにあいつらはもうやる気十分だぞ?」
遥さんが指さした先には張り切っている哲也と香織と奈美さんがいた…
「まさか香織と奈美さんまで…」
「哲也は否定しないんだな」
「哲也はああゆうの好きそうですからね」
「まあな。あいつは宇宙飛行士になりたいとか言ってたからな」
「まあUFOなんて呼べるわけないでしょうがやるからにはちゃんとやりたいですね」
「もちろんだ」
「でもこうゆうのって夏休みとかにやるもんじゃないですか?」
「それはきっと作者の都合だよ」
さっきまで張り切っていた香織が話しに入ってくる。
「香織ってなかなかタブーなことしてるよな…」
「ん?」
「いや、なんでもない」
「今週の土日にやるんだろ?まあお泊まり会だと思えばよくないか?」
「泊まりなんですか!?」
「あたりまえじゃないか」
みんながなんでそんなこともわからないの?みたいな目で見てくる。
「もう今日はめんどくさいから解散するか」
遥さんがそんなことを言う。
「まあ俺も帰りたかったんで賛成です」
俺はそのアイディアに賛成する。
「じゃあ解散!!」
そうして今日の部活は終了した。
「さ…悟君」
「どうしたんですか?奈美さん」
「ど…土日のUFO呼ぶやつのとき一緒に買い出し手伝ってくれないかな?遥に頼まれちゃって」
「別にいいですよ」
「ほんと!?じゃあ金曜日の放課後空けといてね!!」
「わかりました」
そうして奈美さんはなぜか上機嫌に帰っていった。
「俺も帰るか…」
俺は香織と姉ちゃんと理沙を呼んで家に帰った。
「奈美もやるな~」
遥と哲也だけが残った部室で遥は言う。
「姉ちゃん奈美さんに手貸していいのかよ?」
「ん?買い出しのことか?あれは私は買い出しに行ってくれなんて言ってないぞ」
「じゃあ奈美さん自分で誘ったのか」
「さすがに自分では誘えなかったんだろう。名前を使うくらい別に許してやるよ。それに私たちは親友
だぞ?私は奈美を手伝うからな」
「アンフェアだね」
「最低限だよ」
「まああまり手出しはしないように」
「わかってるさ。土日が楽しみだな」
「それも計算にいれて引き受けたのか…」
「もちろん。てゆうかそれしか考えてなかった」
「最悪じゃん…」
「私の部活は『全生徒』のお手伝いをする部活だからな」
「部員の恋も手伝うと?」
「ああ」
「ん?姉ちゃん迎えが来たよ」
「おう」
そして2人は部室から出ていった。