第48話 やることないといつの間にか寝てるよね
「あれ?姉ちゃん父さんに会わないで行っちゃうの?」
俺は姉ちゃんにホテルまでついてきてもらいなんとかホテルにつくことができた。
「うん。お父さんにはまた会えばいいからね~」
「そっか」
「じゃあさとくんちゃんといい子にしてるんだぞ~?」
「そのセリフは父さんに言ってよ…」
「ねぇさとくんやっぱりだめ…?」
姉ちゃんが上目遣いで聞いてくる。
「は…恥ずかしいからだめに決まってるだろ!!」
姉ちゃんはさっきっから「さとくんに久しぶりに会ったからチューしたい!」とずっと言っている。
「む~」
いきなり姉ちゃんが唸り始める。
そしていつものおっとりとした姉ちゃんではありえない動きで姉ちゃんは俺の唇を奪う。
「なっ…!?」
「えへへ」
姉ちゃんはすごい笑顔だ。
「はぁ…されちゃったもんはしょうがないよ…」
「さっすがさとくん!じゃあこのままの勢いで私の初めてを…
「姉ちゃんそれ以上言ったら俺姉ちゃんともう会わないかもしれない…」
「うそ!うそだから!私に会いに来て!」
姉ちゃんは必死に弁解する。
「大丈夫だよ姉ちゃん。冗談だから。俺は姉ちゃんのこと好きだから」
「じゃあ結婚しようか!」
「誰が異性として好きなんて言ったよ…」
「だって姉ちゃんのこと好きだって…」
「俺は姉ちゃんが好きなの。1人の女性としては…嫌い…ではないかな?」
「じゃあ私にもチャンスがあるんだね」
「誰もそんなことは…!!」
そのセリフを言ったときにはもうすでに姉ちゃんは遠く離れたところにいた。
「さとくんじゃあね~」
姉ちゃんは手を振ってホテルを出ていった。
「さて、俺は何してようかな…外に出たら確実に迷子になるだろうし…荷物ももう預けちゃったしな…」
考えた結果ロビーで待っていることにした。
「…とる」
「ん…」
目を開けるとそこには父さんたちがいた。
「俺、寝ちゃってたのか…」
「お前どこ行ってたんだ?香織が心配してたんだぞ?まあ俺が心配しなくていいって言ったんだけど
な!はっはっはっ!!」
どんな親だよ…
「心配してくれてありがとう香織」
「うん」
「あっ、父さん。姉ちゃんに会ったんだけど…」
「美里に?」
「うん」
「偶然だなあ…」
「父さんなにか隠してない?」
「なっ!?何も隠してなんかないぞ!!」
「そう…」
絶対なにか隠してるな…
しかし俺はあえてそのことについてはなにも言わなかった。
「悟君」
「ん?どうしたの香織」
「悟君のお姉さんってどんな人なの?」
「極度のブラコン…」
「えっ!」
「それでいてすごく美人…」
「うぅ…」
「もうすぐ日本に帰ってくるらしい」
「(また1人増えちゃった…)」
「ん?何か言った?」
「何でもないよ!」
「そっか」
香織はその後様子が変だった。
そしてその後に父さんに「夕食なら俺たち食べちゃったぞ」と聞かされたときにはキレそうになった。
しかし、俺はその後に起こったことによってキレることも忘れてしまった。