第44話 会長効果
「今日こそは来てくれるはずだ!!」
ガチャ…
「きた!!」
「いらっしゃいませ!!」
「い…いきなりなに言ってるのよ?」
「なんだ奈美かぁ…」
「今日もこないの?」
「うん…」
遥さんが肩をおとす。
「遥さん、どうやって宣伝したんですか?」
「ん」
遥さんがポスターを見せてくる。
そこには『いつでも相談受け付けます、部活の助っ人だって大歓迎!』という文字が書かれていた。
「遥さんこれじゃだめです」
「なんでえ~」
「哲也~」
俺はちがう部屋にいる哲也を呼ぶ。
「どうした?」
「カメラくれ」
「カメラならその辺に…」
哲也が棚を指す。
そこにはカメラがあった。
「助かる」
「悟君それなににつかうんだ?」
「遥さんはそこに座っているだけでいいです」
「?」
俺は遥さんにカメラをむけて何枚か写真をとる。
「哲也これパソコンにおとしといて」
「了解」
哲也にカメラをわたす。
「悟君わたしはまだなにをしたいかよめないのだが」
「遥さんの写真をつかって宣伝します」
そう言った瞬間遥さんの顔がボンッという音をたてたように赤くなる。
「だ…だめ!だめ!恥ずかしい!やめて!」
遥さんは照れたりするとすこし女の子らしくなるんだな…
「おとしたよ」
「サンキュ」
俺はそれからパソコンをつかってポスターを製作する。
「悟君ってパソコンもできたんだ」
「おう」
「小さいころから機械系は好きだったわよね~」
「それに比べて理沙は…」
「言わないで!言わないで!」
そう言いながら理沙は俺の口をおさえてくる。
「よし、完成だ」
そう言って俺は遥さんのもとに行く。
「どうですか?」
「…恥ずかしい」
俺のつくったポスターは遥さんの写真をでかく貼り『あなたの悩みを生徒会長がお手伝いします。部活の助っ人だってやります』みたいなことを書いておいた。
「じゃあこれを貼ってきますね」
「えっ!?あの!悟君!?」
俺は遥さんの言葉を聞かずに校内に貼りに行く。
「悟君!私も行くよ!」
香織が後ろからついてきた。
俺たちはポスターを貼り始める。
俺はポスターを見て思う。
「遥さんってやっぱり美人だよな~」
香織はその言葉を聞いてこっちをむいてくる。
「悟君は部長がすきなの!?」
「いやそうゆうわけじゃ…香織だって十分にかわいいよ」
「えっ…」
香織は顔を赤くする。
そして俺も言ってからやばかったのでは?と気がつく。
「あ…ありがとね…」
「い…いや」
俺たちはなんか変な空気のままポスターを貼っていった。
そしてポスターを貼り終え屋上にもどるとそこにはもう相談者がいた。
それとなぜか遥さんが頭を下げている。
そして相談者は走って屋上をでていってしまった。
「相談はなんだったんですか?」
俺たちは遥さんのもとに歩いていく。
「私に告白がしたかったそうだ」
「それでふったと…」
「ああ」
「部長ももてますね」
「いやそんなことないぞ?」
「ファンクラブもあるじゃないですか」
「それは私の本当の性格を知らないからだろう?」
「たしかに…」
「香織…そこは納得しちゃいけないような…」
そして俺たちは部室にはいって相談者を待つ。
しかし、
「こないな…」
「ポスターを貼る時間も時間でしたから」
「明日に期待しよう?ね?遥?」
奈美さんが遥さんをなだめる。
「そうだな。今日は解散!みんなおつかれ!」
そして俺たちはそれぞれの帰路についた。