第42話 お金持ちの生徒会長
月曜日…
ついに部活が始まる。
部室がなかったのだが哲也は安心しろと言っていた。
その理由がいまわかる。
「は…遥さん…こ…これは?」
「見てわからないのか?部室だよ。モテ男君」
そう言いながら遥さんは携帯を開いて例の写真を見せてくる。
「わあああああああ!!まだ消してなかったんですか!?この画像絶対に理沙に見せないでくださいよ!?」
「まあまあ。おっ…全員揃ったな?ここが私たちの部室だ」
遥さんが指した先には一個の豪華な家が用意されていた。
「ここ屋上なのに…」
「それなら心配ない。ここは村田グループが買い取ったからな。それにこの部室は私の貯金でつくったから遠慮しなくていいぞ?」
「貯金って…」
「遥はすごいんだよ」
そういって誰かが俺の肩に手を乗せてくる。
「奈美さん…」
「ところで悟君はこ…告白とかされたことあるかな…?」
「え…ええ。3回くらい」
「つ…付き合ったりとかは?」
「ありませんけど…」
なんか奈美さんの様子がおかしいな…
「そ…そうなんだ!」
奈美さんは笑顔になって遥さんのところに行ってしまった。
「な…なんだったんだ?」
「悟!!なにデレデレしてるのよ!!」
「してねえよ!!」
「悟君!!」
「香織まで!?」
「ほらそこなにやってるんだ?はやく中はいるぞ?」
遥さんにせかされて俺たちは中に入る。
「これが部室!?」
「ん?そうだぞ?」
「おかしいじゃないですか!!なんで俺の部屋よりも豪華なんですか!?」
「俺の部屋よりもすごいぞ姉ちゃん…」
部室はなにもかもがすごかった…
エアコンはもちろんのこと1人ずつに冷蔵庫など口では表現できなかった。
「はあ…これが格差社会…」
「なに言ってるんだ?悟君?」
「いえ…現実を見て落ち込んでるだけです」
「? まあいいや。これより私たちは部活動を開始する!!部活動名は…とくにはなし!!」
「なし!?」
「なんだ?あっ、悟君がいいのを考えてくれるそうだ」
「無茶振りだ…」
「まあ相談者がくるまでのんびりとしてよう」
それから俺たちはのんびりとテレビをみたりゲームをしたり…
のんびり…
のんびり…
「遥さん、そろそろ夕食の買い物とかしなきゃいけないのですが…」
「なぜだ…なぜ相談者がこない!!」
「帰ってもいいですかね?」
「そうだな…じゃあ今日は解散!!」
みんな帰る準備をする。
「悟君…今日夕飯の買い物に行くの?」
奈美さんがはなしかけてくる
「はい」
「私も一緒に行ってもいいかな?」
「別に構いませんが…」
「今日家に両親がいなくてね自分でつくらなきゃいけないの」
「それならうちで食べます?」
「いいの?」
「ええ」
「ありがとう!!」
奈美さんはどこかに走っていく。
「悟君…」
「ん?どうした香織?」
「どうして奈美先輩呼んだの?」
「だって1人で夕飯なんてかわいそうだろ?」
「う~。そうだよね…悟君はそうやって優しいから悟君なんだよね」
「?」
「なんでもないのっ!タイムセール始まっちゃうから急ごう!」
そして俺たちは部室を出ようとするが遥さんはまだ悩んでる。
しょうがないので俺がアドバイスしてみる。
「遥さん、生徒達はこの部活ができたの知ってるんですかね?」
「あっ!!」
「じゃあ遥さんも相談者が来ない理由がわかったんで帰りますね」
「おう」
「じゃあな哲也」
「うい」
俺たちはそうして部室をでた。
「さて、奈美もけっこう本気になってきたな」
「でもこのままじゃこの部活荒れるよ?」
「それを見てるのが楽しいんじゃないか」
「あんた鬼か…」
「まあさすがモテ男こと悟君だ」
「たしかにね」
「これからが楽しみだな」
「うん」