第36話 こ…これは男の生理現象で…!!
「…とる君!!悟君!!」
「う…うん?」
俺は重いまぶたをこすりながら上半身を起す。
「遅刻しちゃうよ!?」
俺は時計を見る。
8時10分…
「やばい!!」
俺はいそいで起きる。
「さ…悟君…」
「ん?」
香織は下のほうを見ながら顔を赤くしている。
俺も下を見る。
そこにはもりあがったズボン…
「ちょっ…香織!!これは男の生理現象みたいなもので…!!」
「キャアアアアアアアアアアアア!!!!!」
「グフッ!!」
香織からの強烈な平手打ち…
香織は走って部屋を出ていった。
「どうしよう…」
しかし、俺はすぐに遅刻しそうだという事実に気がつき急いでしたくをする。
「ハァ…ハァ…!!」
「お疲れ。今日は本当にギリギリだな」
今日はさすがに理沙は待っていなかった。
「ハァ…か…香織は?ハァ…」
「とっくに来てるよ。どうしたんだ?お前、今年に入って遅刻2回目だぞ?」
「親が昨日から旅行に行った…」
「ぷっ…あっはっはっはっは!!」
「笑うなよ」
「だって二人暮らしだろ!?」
「…うん」
「竹中ファンクラブの子が聞いたら悲しむな~」
「ファンクラブなんて存在しない」
「…」
「えっ?なにその顔」
「知らないのか?」
「は?」
「お前さ結構モテるじゃん?」
「告白は3度しかされたことないぞ?いや、あれは告白にはいるのか?」
「まあまあ知らないならいいんだよ」
「そこまで言われると気になってしょうがないんだけど…」
「う~ん…まぁそろそろ本格的に告白してくるだろうな」
「なんでだよ…」
「うちの学校は2年の始業式から夏休みまでに付き合うと絶対にわかれないらしい…」
「じゃあ俺も告白すれば…」
「そうなるな」
「でも付き合えないよな~」
「お前は鈍感なところはちゃんとなおしとけよ?」
「よくわからないんだけど…」
「いずれわかるさ」
「それに今日の朝なんて…」
「どうしたんだ?」
俺は今日の朝あったことを話す。
「それはそれは…ご愁傷さまです。あっ!ほら先生きたぞ?」
そして今日もつまらない授業が始まった…
しかし、香織はあれから話しかけてくれないし…
そんなに『あれ』を見たのがショックだったのか…?