第22話 先生の独身はいつまで続くのだろう…
「はぁ…」
長嶺ゆり(独身)は教室に入ってくるなりため息をついた。
「結婚かぁ…」
教室が重い空気で押しつぶされそうになる。
「はぁ…」
多分あの様子だと金曜日に言っていたデートは失敗に終ったのだろう。
「じゃあ出席とるね…あ~もう面倒だからいない人いる~?」
うわっ…適当…
「先生…上田さんがいません」
1人の生徒が遠慮気味に言う。
それよりも…理沙がいない?
友達の家に泊まってるんじゃないのか?
「う~ん連絡はきてないわね…まぁいっか。先生の元気が回復するまでHRはなし…はい学級委員しめて」
「起立!!礼!!」
HRが終ると哲也が俺の席にくる。
「悟~お前また理沙ちゃんを怒らせるようなことしてのか~?」
「いや。休みだって知ったの今さっきだぞ?しかもおばさ…理沙のお母さんは友達の家に泊まってるって言ってたし」
「じゃあ家に帰ってないんじゃねえかよ!!」
「そうなんだよな…今頃どこほつき歩いてるんだか…」
「心配じゃねえのかよ?」
「別に」
「ふ~ん」
俺は席を立ち上がる。
「どこ行くんだ?」
「便所」
そして俺は教室をでていった。
「あの村田君…」
「ん?どうした?さと…いや竹中。あれ?そういえばうちの担任苗字が変わったって言ってなかったような…」
「たぶんお母さん達が先生に言ってない…」
「適当だな…それでどうしたんだ?」
「悟君は上田さんのこと本当に心配じゃなのかな?」
「いや、あいつは内心まじで焦ってる。心配だってここにいる誰よりもしてる。あいつは前からそんなやつだよ」
「そっか。それを聞いて安心した」
「おう!さてと…俺も調べるか」
哲也はノートパソコンをだす。
「なにを調べるの?」
「ん?理沙ちゃんの居場所。悟は必ず聞いてくるからな」
そうして哲也はパソコンで理沙の居場所を調べだした。




