第16話 ゲームセンターにいるとお金がいつのまにかなくなってるんだよね…
「ゲーセンってここ…?」
「そうだよ。父さんが経営してるんだ」
香織が驚くのも無理がなかった。
なぜなら街でいちばん大きなゲームセンターだったからだ。
「村田君ってお金持ち…?」
「「あれ?」」
俺と哲也が驚いたように香織の顔を見る。
「えっ…なんかまずいこと言ったかな…?」
「もしかして香織知らないの…?」
「えっ!なにが!?」
「まずは父さんと母さんが働いてる会社の名前は?」
「えっと…たしか村田グループ…あっ!!」
「そうなんだよ。まぁ俺も最近知ったんだけどね」
「ほぇ~」
「ほら悟も佐藤も遊ぼうぜ」
「そうだな」
「うんっ」
それから俺と香織と哲也は遊んだ。
財布のことなんて考えないで…
なざなら全て哲也のおかげで無料だったから。
普通の人なら羨ましがるだろ?
だって俺がもし哲也と知り合ってなかったら羨ましがってただろうから…
「(で?佐藤とはすすんだか?)」
哲也が小さな声で話しかけてくる。
「(正直進展なしだな…一応はばれないように普通に接してるけど…)」
「(なんだよ~つまんね~な。もうすこしがんばろうぜ)」
「(まぁ同居しててひとついいことはあったけどな)」
「(なんだよ?)」
「(同居一日目で裸を…)」
「(なに!?)」
「(まぁ目潰しされたけど…)」
「(それでも好きな娘の裸なんてみれないぞ?)」
「(まあな)」
「ふたりでなにはなしてるのっ」
後ろから香織がいきなり顔をだす。
「べ…別になにも!!なっ!!哲也」
「そ…そうだよ!!」
「え~本当?」
「本当だよ」
「悟君がそう言うなら…」
香織の信じてくれている目がいたい!!
「そ…そろそろ腹減らない?」
「言われてみれば…」
「スーパーでなんか買って家で作っちゃおう」
「そうだねっ」
「哲也もそれでいいか?」
「久しぶりだな~悟の手料理」
「村田君たべたことあるんだ?」
「前に悟の家に泊まりにいってときにね」
「じゃあまずはスーパーに行こう」
そう言って俺達はスーパーに向かった。
ゲーセンでお金をすき放題つかえるって羨ましいですよね…