第15話 ファミレスのドリンクバーは飲めば飲むほどお得
プルルルル
「ん?メールかな?」
俺と香織はファミレスで朝食を食べ、ドリンクバーで持ってきたコーヒーをちびちびと飲んでいた。
『送信者 哲也
あそぼ~ぜ~』
「哲也が遊ぼうって言ってるんだけど香織も今日空いてるよな?」
「うん大丈夫だよ。でも私も行っていいの?」
「大丈夫だよ」
『香織もいるけど大丈夫だよな?』そう書いてメールを送る。
プルルルル
「早いな…」
携帯を開く。
「あっ電話か」
『お前の家いっても誰もいないんだけど?』
この声は哲也か…
誰もいないとなると…
「父さんたちもどっかにいったな…」
『えっ?』
「いやなんでもない。いま駅前のファミレスにいるんだよ」
『わかったすぐ行く』
そこで電話がきれる。
「すぐくるってさ」
「そっか」
「そういえば父さんたちってまだ婚姻届だしてないんだよな…」
「そうみたいだね」
「ということはまだ香織とも兄妹じゃないのか」
「そうゆうことになるね」
「これ学校ではどうなるんだろうな」
「?」
香織が首をかしげる。
その姿がとてもかわいらしく俺は目をそらしてしまう。
「苗字とかさ」
「あっそうだよね」
「あまり学校にはばれたくないよな~」
「どうして?」
「からかってきたりとか、とくに新聞部のやつらとかうるさいじゃん」
「それもそうだよね」
ふいに入り口に目をやると見慣れた顔が入ってきた。
「こっちこっち」
俺は手をあげて哲也を呼ぶ。
「おはよ~」
哲也が手をあげながらこっちにくる。
「おはよう村田君」
「ういーっす」
「理沙ちゃんも誘ったんだけどさなんかこれないんだとさ」
「そうなのか?」
「まぁこれないならしかたないよね。私、上田さんと仲良くしたかったんだけどなぁ」
「しょうがないよ。で?今日はどうする?」
俺は哲也に尋ねる。
「またうちのあそこでいいんじゃない?」
「あそこって?」
香織が尋ねる。
「「ゲーセン」」
それから俺達はファミレスをあとにした。




