第19話 俺は1人を守るって決めたから
仕事が終わり俺と須藤は駅前の喫茶店にいた。
「で?相談って?」
俺はすぐに須藤にたずねる。
「係長、実は…」
須藤は顔を赤らめて言いづらそうにもじもじする。
「実は私係長のことが好きなんです」
「は?」
何言ってるんだ…?
あ、上司としてか。
「ついに須藤も俺を敬うように…」
「違います!!1人の異性としてです!!」
「いや、俺結婚してるし」
「それでもいいんです!!」
須藤は身を乗り出す。
「係長…本当にあなたが…「ストップだ」
俺は須藤の言葉を遮る。
「俺は高校生の頃に1人の女の子を俺のせいで怪我させてしまったんだよ。そして怪我をした彼女は記憶喪失で俺から離れてしまった。しばらくしてから彼女の記憶は戻った。その時に俺はその人を絶対に守ろうと誓ったんだよ。その人のことをずっと好きになっていようってね。まあ今は子供も好きだけどな」
「その人が今の奥さん…」
「ああ。だからごめんな」
「はは…ふられちゃった」
「さ、帰ろう」
「うん…」
俺は須藤と駅で別れて家に帰る。
まさか須藤に告白されるなんてな…
久しぶりにこんなにどきどきしたぜ…
心臓に悪いな…
早く帰って夕飯つくらなきゃな…
俺は早足で帰る。
「ただいま~」
俺がドアを開けるとそこには香織が倒れていて子供達が泣いていた。
「ど…どうしたんだ!?」
「母ちゃんが…母ちゃんが階段から…」
「ママ…!!ママ…!!」
「と…とにかく救急車!!」
俺は携帯で救急車を呼ぶ。
一体なにが起こったんだよ…




