第9話 悪いことがあるといいこともある
「ん…」
俺は目を覚ます。
となりを見ると夏希がまだ寝ていた。
俺は顔を洗いボーッとする。
「おじさまおはよう!」
「おはよう。よく寝れたか?」
「うん!」
「優輝は?」
「まだ寝てるよ」
「そっか」
「パパ…一緒に寝てくれなかった…」
「夏希が寝てて気づかなかっただけだよ」
「嘘だ!!」
あれ?なんでそんなに大きな声だせるの?
しかも竜宮●ナっぽいし…
夏希はまだ知らないはずなのに…
「一緒に寝たら私の服は乱れてるはずだもんっ…」
「夏希そんなこと誰に教わったんだ…」
「おじいちゃん」
「あの野郎…」
「父ちゃんおはよう…」
「おはよう。ほらみんな顔洗ってこい。朝食にしよう」
「「「はーい」」」
それから俺たちは朝食を食べる。
「じゃんけん何出そう…」
ここは至高のチョキか…?
いや、鋼鉄のグーか?
しかし平手打ちのパーも…
決めた…
「鋼鉄だろうと打ち破る至高のチョキをだそう!」
「パパどうしたの…?」
「今日のじゃんけんなにだすか決めてたんだよ」
俺はこの時気づいてなかった。
後ろにじゃんけんの相手がいたことに…
「さあ!帰りの運転は誰がするかのじゃんけん大会よ!」
「どうせ悟だろ?」
「ふっ…哲也油断してると痛い目見るぜ?」
「「「「じゃんけん…ポン!!」」」」
「悟よろしく~」
「悟君ごめんね」
「待て!2人ともよく見ろ!」
俺はパー。
他グー。
「勝ったぁぁぁぁ!!」
「「「なっ!?」」」
「悟!あんたチョキ出すんじゃなかったの!?」
「朝飯食ってる時にチョキ出すって宣言してたじゃねえか!!」
「悟君…もしかして忘れた?」
「朝飯食ってる時…あっ」
「忘れてたのかよ…」
「ほらいろいろしてたら忘れちゃって。まあおまえらよろしくな」
結果哲也がじゃんけんに負けて運転してくれた。
「運転しないのがこんなに楽だなんて!」
「悟君よかったね」
「今日の悟は運がよかったのね」
「やられたな~」
「パパよかったね…」
「ああ!」
特になにかやった訳ではないがこれで俺たちの旅行は幕を閉じた。




