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第106話 悔しさ

病室を出て廊下を歩いていると見覚えのある1人の男がいた。


そいつは俺が香織のことを好きだと気づかせてくれた人物だった。


「お前は確か…図書館で香織と話してた…」


上村隼人(かみむらはやと)…お前は佐藤の彼氏なんだろ?」


「それは…」


今の俺は香織にとって彼氏なんかじゃない。


ただの他人となってしまってる。


「昨日の事故見てた」


「っ…」


「お前は佐藤のこと大事じゃねえのかよ!?それなのに佐藤は…佐藤は…!!」


俺は何も言えなかった。


なぜなら彼が言っていることは正しいから…


「俺だって佐藤のことが好きだった…お前は佐藤の彼氏失格だな」


上村隼人はそう言い捨てると立ち去ってしまった。


「は…はは…そう言われてもしょうがないよな…俺のせいで香織の記憶はなくなってしまったんだから…」


「くそ!!くそおおおお!!」


俺はその場で泣き崩れた。


そしてしばらくすると姉ちゃんがきた。


「さとくん…香織ちゃんのことなんだけど…」


「記憶喪失なんでしょ…」


「うん…」


「俺のせいだよな…」


「さとくんのせいなんかじゃないよ…」


「ありがとう…姉ちゃん…」


「香織ちゃん通院はしなくちゃいけないけどすぐに退院できるって」


「そっか…」


香織はまた俺と同棲したままだろう…


しかし、俺と香織の関係は180度変わる。


恋人という関係からただの兄妹(きょうだい)として見られることになるだろう。


そんな生活…耐えられるのかな…俺…


香織の記憶をもどすために最善を尽くしたい。


ただどうしたらいいかわからない…


どうやったら香織の記憶は戻るのだろう…


俺はずっとそのことを考えていた。



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