第六話 神などは
崩壊した異世界に転生した菊池圭太は、崩壊の要因となった人物ペイモンと同居することになった!?犯罪集団クリミナルズに襲われたことで『焔』の能力を開花させた圭太であった。
突然敵に襲われた圭太達だったが、途中最凶の堕天使ルシファーが降臨して…!?
「かぁっはっはぁ。ブエル、貴様誰の許可を得て俺の部下に手を出している?」
「かぁっはっはぁ」と笑っているが、目元はちっとも笑っていない。長髪がなびくルシファーの炎がブエルの首を巻いた。段々きつく締め付けていって、最後にはブエルは首を絞められながら宙に浮いた。
「やめてぐれ…!!神…様ぁぁぁ!!」
「神?」
ピクっと耳を震わせルシファーはブエルの方を向いた。
「神か…かぁっはっはぁ!神などは人間の作った幻影だ。世に存在するのは悪魔か精霊、堕天使のみだ。精霊は死者の魂を表すそうだ考えてみろ、人間が人間より優れたものを想像出来るわけなかろう。少なくともお前らの想像する神とは違うだろうな。」
断言してみせたルシファーだったが、もうそんな言葉ブエルの耳には届かなかった。ブエルの口からは唾液と血がこぼれ、顔は血が流れず、真っ青になって死んでいた。
「さて、ペイモン。久しく地におりてきた訳だが、お前誰と共にいるのだ?そいつは誰だ?」
「この者はチキュウという惑星より転生してきた者でございます。」
「そんな事は聞いていない。なぜ殺さないのかと聞いたのだ。」
「それが私の正義だと思ったからでございます。」
ペイモンとルシファーが数秒睨み合った。が、ルシファーは直ぐにニコッと笑い言った。
「かぁっはっはぁ。そんな事分かっていたわ。少し試しただけだ。逆にお前がこの男を殺そうとするようなら…」
間を置いてルシファーは真顔になった。
「俺はお前を殺すところだった。」
その低い声に冷や汗が止まらなかった。思わず目をつむりたくなる程の威圧。だが、目を閉じればなんだか前が見えない間に殺されてしまいそうだった。
「どれだけ悪魔に染まれども、人間としての心を無くすなよ。ペイモン。」
そういえば。ルシファーの発言で思い出したことについて思わず聞いてしまった。
「あの…俺の元いた世界ではあなた達の名前は悪魔の名前と知られているんですけど…こっちの世界でも悪魔なんですか?」
「と言うよりだな、お前のいた世界と俺たちがいるこの世界は平行世界と考えた方が分かりやすい。実際は違うがな。だって考えても見ろ。なぜ俺達は元の世界と同じ言語で話し、同じ人間の姿をしているんだ?確かに差異も多くあるが、基本的には同じものが多い。だから、悪魔の性格や名前などもそちらの世界と被っているんだろう。」
「ってことはあなた達は…」
「紛れもなく悪魔だな。俺の場合は堕天使だが。とはいえ安心しろ。お前を食ったりはしない。人間と同じく接してくれていい。」
その割にはペイモンさんに酷く怯えられているようだが。
そんな気持ちは抑えて、家に帰ることにした。そうルシファーを含めた三人で新しい生活が始まったのd…
「何でルシファーさんまでいるの!?」
こうしてルシファーが居候に加わった。
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