第三話 敵襲
崩壊した異世界に転生した菊池圭太は、崩壊の要因となった人物ペイモンと同居することになった!?犯罪集団クリミナルズに襲われたことで『焔』の能力を開花させた圭太であった。
力を使い、ペイモンを殺したい圭太は異世界で奮闘する!!
「燃えてきた!!」
漢術(魔法)を使えるようになり、ハイになった俺だったが油断大敵、クリミナルに頭をもう一度ぶん殴られた。
「よくもやりやがったなああぁぁ!!!」
攻撃を喰らいながらも、一つ新しく分かったことがあった。
頭から出ている焔は、主に水色で構成されているが、攻撃の為に出した拳の焔は、薄橙色で構成されていた。
ハイになると同時に思考も優れていた俺は、瞬間この二つの違いからあることに気がついた。
恐らく、水色は『再生の焔』で、橙色は『攻撃の焔』なのだ。
この事に気づいたものの、状況は大して変わっていなかった。今にもクリミナルに殺されそうな状況だ。
そんな状況でも上司のばあさんの態度は衰えることなく、「どきなさい!」と言ってクリミナルの図体を紫色のビームで吹き飛ばした。
「あたしだって50過ぎてる大人なのよ!ガキに守られるほど衰えちゃいないわ!それに…このままじゃ旦那に合わせる顔がないわ!」
俺は驚いた。上司は、性格が悪い面もあったが、死んだ旦那の為に戦う姿は尊敬そのものだった。
だが、恐らくカロリーを激しく消費する技なのだろう。ビームを放つ度に、太っていた腹部の脂肪が減っていく。
数秒して戦線復帰した俺と共に、クリミナルを倒した。
「ハァハァ…手こずりましたね…」
「そうね…ハァ……私、アンタに言わなきゃいけないことがあるわ。」
「…?」
「別に旦那死んでないわ。」
「んんん…生涯お幸せに!!」
再生の焔によって怪我を治した俺はペイモンの帰りを待った。
数日して、ペイモンが帰ってきた。そこからも数日が過ぎたある日、俺が外の掃除をしていると遠くから男が歩いてきた。
「こんな場所に人が来るなんて珍しいな…」
呑気な事を言った瞬間、目前には二人の人間が現れた。
先程の男とペイモンだった。男の禍々しい拳を剣で受け止めている。
「っ…!!」
男とペイモンの間で火花が散る。次の瞬間、瞬く間にペイモンは、拳を振り払い、男の横腹に剣を刺した。
だが男は何事も無かったかのように剣を見つめて言った。
「この剣…『月欠』…」
「私の愛剣ですよ。」
するとペイモンは剣を男の腹から喉元まで引き上げて、体を切り裂いた。
だがそれでも血は一滴すら滴らなかった。そんな男が次は攻撃を繰り出した。
ペイモンがギリギリで防いだが、まずい状況になってきた。ここの皆が理解していた。
相手の漢術を見極めなければ勝利はないと。
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